このブログは,多くの受験生の方が司法書士試験に合格するために開設しました。
    取締役会設置会社である非公開会社における,取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めは有効である(最決平29.2.21)
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     こんばんは@自宅です。

     今日は,記述式対策講座・不動産登記法【実践総合編】第2回と記述式対策講座・商業登記法【理論編】第1回の講義でした。

     記述式対策講座は,いよいよ商業登記法へ。

     受講生の皆さん,一緒に頑張りましょう!






     今回は,最新判例解説です。

     といっても,会社法に基づく従来の取扱いを追認しただけですので,特に目新しい部分はありません。

     でも,そんな判例だけならここで紹介するはずもなく,ちゃんと近年の出題傾向に沿った話をするので,頑張ってお読みいただければと思います。






     取締役会設置会社においては,株主総会は,会社法及び定款で定めた事項に限り,決議をすることができます(会社法295条2項)。

     ここでいう「定款で定めた事項」には特に制限はないため,例えば,「株主総会の決議で代表取締役を選定する旨」を定めることができます(相澤・会社法解説P76)。



     最高裁も,以下のとおり,判示して,このことを認めました。


     取締役会設置会社である非公開会社における,取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めは有効である(最決平29.2.21)。


     

     最高裁が認めたのは,取締役会設置会社の以下の定款の定めです。


    定款
     第○条 当会社は,取締役会の決議によるほか,株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる。




     つまり,株主総会の選定権限と取締役会の選定権限とを併存させる定款の定めを有効としました。


     では,取締役会設置会社において,以下の定款の定めは認められるでしょうか?

     

    定款
     第○条 当会社は,株主総会の決議によって代表取締役を定める。




     さっきの定款の定めとどこが異なるのかというと,この定款の定めは,代表取締役の選定権限を株主総会だけが有するものとしています。

     この点,上記のとおり,会社法295条2項の「定款で定めた事項」には特に制限はないため,この定款の定めも有効です。


     しかし,会社法の立案担当者は,このように説明しています。


     明文の規定がない限り,定款により取締役会の法律上の権限を奪うことはできないため,定款の定めにより株主総会の決議事項とされたものであっても,取締役会は,決議をすることができる(相澤等・論点解説P262・265)。



     

     つまり,以下の定款の定めがあっても,取締役会は,代表取締役の選定権限を有するということです。

    定款
     第○条 当会社は,株主総会の決議によって代表取締役を定める。


     
     
     では,取締役会が実際に代表取締役を選定したらどうなるのか?

     
     取締役は,定款を遵守し,株式会社のために忠実にその職務を行わなければならないため(会社法355条),この義務違反の問題が生ずることになるかもしれません(相澤等・論点解説P265)。


     以上,最新判例に,近年の出題傾向である会社法の立案担当者の見解(未出)を絡めた解説でした。


     では,また。


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    【補足あり】【最新判例】専ら相続税の節税のためにした養子縁組の効力(最判平29.1.31)
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     こんばんは。

     今回は,最新判例のご紹介です。


    【補足】 

     森山先生のブログにも,最新判例の解説がありますが,めちゃ分かりやすいで,おススメです。

     ・ 最新判例 相続税対策の養子縁組の効力








     養子縁組の届出が受理されるためには,縁組意思が必要であり,縁組意思を欠く縁組は無効です(民法802条1号)。

     ここで,縁組意思とは何かが問題となります。

     この点について,判例は,養子縁組の届出自体について当事者間に意思の一致があった場合でも,当事者間に真に養親子関係の設定を欲する効果意思がなければ,養子縁組は無効であるとしています(大判昭15.12.6,最判昭23.12.23)。

     この点は,2回出題されています。


    【H24-20-エ】

     養子縁組の届出が単に他の目的のための便法としてされたにすぎず,養親と養子との間に真に養親子関係の設定を欲する効果意思がなかったときでも,養子縁組の届出自体について意思の一致があれば,養子縁組は,効力を生ずる。[×]



    【H19-22-ア】

     養子縁組の届出自体について当事者間に意思の一致があった場合には,真に養親子関係の設定を欲する効果意思がなくても,養子縁組は,効力を生じる。[×]




     では,専ら相続税の節税のためにした養子縁組は,縁組意思を欠くことにより無効となるのでしょうか?


     この点について,判例は次のとおり判示し,専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても,直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできないとしました(最判平29.1.31)。


     養子縁組は,嫡出親子関係を創設するものであり,養子は養親の相続人となるところ,養子縁組をすることによる相続税の節税効果は,相続人の数が増加することに伴い,遺産に係る基礎控除額を相続人の数に応じて算出するものとするなどの相続税法の規定によって発生し得るものである。相続税の節税のために養子縁組をすることは,このような節税効果を発生させることを動機として養子縁組をするものにほかならず,相続税の節税の動機と縁組をする意思とは,併存し得るものである。したがって,専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても,直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできない


     

     最後に,以下の電子書籍をご購入いただいた皆さんは,一応上記判例を追加しておいてください。


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     では,また明日。


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     こんばんは。

     更新が遅くなってごめんなさい。

     先日から予告していた,最新判例リストの配信を開始します。

     カッコ良く「クリスマスプレゼントです。」と言うことができれば良かったのですが,電子書籍の事前審査等との関係で,この日となりました。

     限定100個無料です。 

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     ダウンロードは,以下からどうぞ。


     最新判例要旨集【民事関係】(平成25年-平成28年)
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     最新判例なんかは,それ以外の判例よりも出題可能性が低いわけですから,とにかく大切な直前期なんかではなく,このような時期にさらっと押さえておきたいところです。


     では,また。


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    共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となる(最大決平28.12.19)
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     こんばんは。

     今日は,色々溜まっていた資料作成を全て片付けました!

     すっかり出遅れた感がありますが,最新判例を解説します。

     ただ,僕は,学者さんではなく,司法書士試験対策の予備校講師ですので,司法書士試験の観点からの解説となります。

     




     まずは,判例の結論です。


     共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となる(最大決平28.12.19)。



     参考: 裁判所HP
     

     最高裁は,預貯金一般の性格等を踏まえつつ,各種預貯金債権の内容及び性質から,この結論を導きました。


     …。


     分かりにくいと思うので,以下の流れで押さえておいてください。

     ・ 遺産分割においては被相続人の財産をできる限り幅広く対象とすることが望ましい。
         ↓
     ・ 現金のように,評価についての不確定要素が少なく,具体的な遺産分割の方法を定めるに当たっての調整に資する財産を遺産分割の対象とすることに対する要請も広く存在する。
         ↓
     ・ 預貯金は,現金に近いものとして想起される。
         ↓
     ・ 共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となる。


     

     では,練習問題です。


    【練習問題】

     共同相続の場合において,可分債権は,相続開始と同時に相続分に応じて分割されない。


     

     正解は,「誤り」です。

     最大決平28.12.19を使って,「正しい」と解答した皆さん,残念です。


     判例は,共同相続の場合において,一般の可分債権が相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されること(最判昭29.4.8)については,変更していません。

     あくまで,共同相続された「普通預金債権」,「通常貯金債権」及び「定期貯金債権」について,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となるとしています。

     【練習問題】は,一般の可分債権か預貯金債権かを区別することなく,一律に「分割されない」としている点で,誤りです。


     「最新外し」が常套手段の本試験ですから,最新判例の知識が出題されたと勘違いして飛びつくのは危険です。


     なお,最高裁は,以下の判例が変更されるとしました。

     共同相続人の1人が,相続財産中の可分債権につき,法律上の権限なく自己の債権となった分以外の債権を行使した場合には,当該権利行使は,当該債権を取得した他の共同相続人の財産に対する侵害となるから,その侵害を受けた共同相続人は,その侵害をした共同相続人に対して不法行為に基づく損害賠償又は不当利得の返還を求めることができる(最判平16.4.20)。


      
     これは,最判平16.4.20は,「貯金」が問題となっていたからです。






     ちなみに,被相続人の遺産が,預貯金ではなく,現金であった場合,どうなるのでしょうか?

     この点については,「相続人は,遺産分割までの間,相続開始時に存した金銭を相続財産として保管している他の相続人に対して,自己の相続分に相当する金銭の支払を求めることはできない。」とするのが判例です(最判平4.4.10)。

     平成21年度午前の部第23問アで出題済みです。


    【平成21年度午前の部第23問】
    H21-am23.jpg


     最後に,今回のまとめです。


     可分債権(普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権 を除く。):遺産分割の対象
     普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権:遺産分割の対象
     金銭:遺産分割の対象




     では,また。


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    【最新判例】地上建物に対する仮差押えが本執行に移行して強制競売手続がされた場合において,仮差押えの時点で土地及び地上建物の所有者が同一であったときは,差押えの時点で土地が第三者に譲渡されていたとしても,法定地上権が成立する
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    【今年最後の遠征講義】

     史上最高の問題で商業登記法の記述式問題の解法を学ぶ
     12/11(日) 13:00~14:30 TAC金沢校

     



      
     
     こんばんは@自宅です。

     今日は,択一式対策講座【理論編】会社法・商業登記法第11回・第12回の講義でした。

     昨年度とほぼ同じペースになるところが,現在の僕の講師としての限界を示しているようで情けないですが,今年度は,昨年度よりも1回増えて,全17回になっています。

     ふふふ。

     …。






     さて,色々なところで話題となっている法定地上権に関する最新判例ですが,僕も勉強してみました。




     地上建物に対する仮差押えが本執行に移行して強制競売手続がされた場合において,仮差押えの時点で土地及び地上建物の所有者が同一であったときは,差押えの時点で土地が第三者に譲渡されていたとしても,法定地上権が成立する(最判平28.12.1) 。

    houteichijouken.jpg


     争点は,民事執行法81条の「土地及びその上にある建物が債務者の所有に属する」との要件を,仮差押えの時点で充たしていれば足りるのか,それとも差押えの時点で充たしている必要があるのか,という点です。


    民事執行法
    (法定地上権)
    第81条 土地及びその上にある建物が債務者の所有に属する場合において,その土地又は建物の差押えがあり,その売却により所有者を異にするに至つたときは,その建物について,地上権が設定されたものとみなす。この場合においては,地代は,当事者の請求により,裁判所が定める。




     この点について,最高裁は,以下のように判示して,民事執行法81条の「土地及びその上にある建物が債務者の所有に属する」との要件を,仮差押えの時点で充たしていれば足りるとしました(最判平28.12.1)。

     地上建物に仮差押えがされ,その後,当該仮差押えが本執行に移行してされた強制競売手続における売却により買受人がその所有権を取得した場合において,土地及び地上建物が当該仮差押えの時点で同一の所有者に属していたときは,その後に土地が第三者に譲渡された結果,当該強制競売手続における差押えの時点では土地及び地上建物が同一の所有者に属していなかったとしても,法定地上権が成立するというべきである。



     
     受験生の方の関心は,この判例の出題可能性だと思います。

     この判例は,あくまで民事執行法81条の法定地上権に関する判例であり,民法388条の法定地上権に当てはまる部分がないと考えられます。

     そのため,民法では出題されず,民事執行法で出題される可能性があるという感じ。

     ただ,最近,不動産の強制競売によりも,担保不動産競売の方が出題される傾向にあり,担保不動産競売における法定地上権は民法388条の法定地上権ですので,民事執行法で出題される可能性は低いと考えます。

     
     なお,民法388条の法定地上権の成立要件と民事執行法81条の法定地上権の成立要件で実質的に相違するのは,同一所有者への帰属・建物の存在の基準時が,抵当権が設定された時(民法388条)か差押えの時(民事執行法81条)であるかという点のみですので,民事執行法81条の法定地上権の成否については,民法388条の法定地上権の成否についての議論がほぼ妥当するという面はあります(最高裁判所判例解説平成6年度民事篇P281参照)。

     例えば,以下の判例は,民事執行法81条に関する判例でありながら,民法388条の法定地上権にも妥当し,実際,民法での出題実績があります。

     土地及びその上にある建物が甲乙の共有に属する場合において,土地についての甲の持分が強制競売によって売却され,丙がその持分を取得しても,民事執行法81条の規定に基づく地上権は成立しない(最判平6.4.7)。

    【平成16年度午前の部第16問】
    16-am16.jpg


     ちなみに,平成21年度,平成23年度,平成25年度,平成26年度,平成28年度と,凄まじい出題実績を誇る法定地上権に関して,未出の重要判例は,以下の判例です。


     地上建物の共有者の一人にすぎない土地共有者の債務を担保するため土地共有者の全員が各持分に共同して抵当権を設定した場合に法定地上権が成立しないとされた事例(最判平6.12.20)


     平成28年度に法定地上権は出題されていますが,法定地上権は,過去に2度2年連続出題されたことがあります。

     1回目 平成16年度,平成17年度
     2回目 平成25年度,平成26年度

     平成29年度対策として,必ず覚えておいてくださいね。

     以上,最新判例→過去に出題された判例→未出の重要判例という,良い流れでまとめることができました。


     では,また。今週もお疲れっす~。

     
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     こんにちは。

     新しい最高裁判例です。

     
     花押を書くことが民法968条1項の押印の要件を満たすか否かに関する最判平28.6.3です。

     まずは,花押とは何か?


     花押

     
     花押って,カッコ良い!と思った皆さん。

     こういうのがありました。

     花押メーカー - 吉田技研

     …。

     オリジナルが欲しい!!!


     次に,民法968条1項の確認です。

    (自筆証書遺言)
    第968条 自筆証書によって遺言をするには,遺言者が,その全文,日付及び氏名を自書し,これに印を押さなければならない。
    2 自筆証書中の加除その他の変更は,遺言者が,その場所を指示し,これを変更した旨を付記して特にこれに署名し,かつ,その変更の場所に印を押さなければ,その効力を生じない。




     では,最高裁の見解です。

     いわゆる花押を書くことは,民法968条1項の押印の要件を満たさない

     花押を書くことは,印章による押印とは異なるから,民法968条1項の押印の要件を満たすものであると直ちにいうことはできない。
     そして,民法968条1項が,自筆証書遺言の方式として,遺言の全文,日付及び氏名の自書のほかに,押印をも要するとした趣旨は,遺言の全文等の自書とあいまって遺言者の同一性及び真意を確保するとともに,重要な文書については作成者が署名した上その名下に押印することによって文書の作成を完結させるという我が国の慣行ないし法意識に照らして文書の完成を担保することにあると解されるところ(最高裁昭和62年(オ)第1137号平成元年2月16日第一小法廷判決・民集43巻2号45頁参照),我が国において,印章による押印に代えて花押を書くことによって文書を完成させるという慣行ないし法意識が存するものとは認め難い。
     以上によれば,花押を書くことは,印章による押印と同視することはできず,民法968条1項の押印の要件を満たさないというべきである。



     内容は,特に問題ないと思います。






     平成28年度司法書士試験を受験する皆さんは,自筆証書遺言の方式に関する判例を丁寧に押さえておきましょう。

     ところで,最高裁は,上記のように,花押を「押印」と認めなかったことから,押印の要件の絶対性のようなものが感じられます。

     しかし,以下のような判例もあります。


     英文の自筆遺言証書に遺言者の署名が存するが押印を欠く場合において,同人が遺言書作成の約1年9か月前に日本に帰化した白系ロシア人であり,約40年間日本に居住していたが,主としてロシア語又は英語を使用し,日本語はかたことを話すにすぎず,交際相手は少数の日本人を除いてヨーロッパ人に限られ,日常の生活もまたヨーロッパの様式に従い,印章を使用するのは官庁に提出する書類等特に先方から押印を要求されるものに限られていた等の事情があるときは,上記遺言書は有効と解すべきである(最判昭49.12.24)。




     色々な事情があるとは思いますが,一言だけ。

     このロシア人の方は,最期は民法968条に基づいて自筆証書遺言を作成したので,きっと日本が好きなはず。

     と思いたい。


     では,また。


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     こんばんは。

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     おはようございます。

     今日解説すべき最新判例といえば,例の2件と考えられますが,もうどこでも解説されていますので,ここでは,違う判例を紹介したいと思います。

     解説するのは,以下の判例です。

     本訴請求債権が時効消滅したとされることを条件とする,反訴における当該債権を自働債権とする相殺の抗弁の許否

     以下は,僕が自分の勉強のために書いた図です。これを見ながらお付き合いください。

     H271214.jpeg


    【事案】

    1 YがXにお金を貸し(第1取引・第2取引),XがYにそれを返済したのですが,Yによる貸付は,利息制限法に違反するものでした。

    2 そこで,Xは,Yに対し,過払金が発生していると主張して,不当利得返還請求をしました(図における①)。

    3 一方,Yは,Xに対し,第2取引による貸金返還請求訴訟を反訴して提起しています(図における②)。

    4 Yは,第1取引における不当利得返還請求権は,時効により消滅したと主張して,時効を援用しました(図における③)。

    5 Xは,本訴における第1取引における不当利得返還請求権が時効により消滅したと判断される場合には,反訴において,第1取引における不当利得返還請求権を自働債権とする相殺を主張しました(図における④)。この相殺は,民法508条に基づくものです。




    【判旨】

     本訴において訴訟物となっている債権の全部又は一部が時効により消滅したと判断されることを条件として,反訴において,当該債権のうち時効により消滅した部分を自働債権として相殺の抗弁を主張することは許される(最判平27.12.14)。



    【理由】

    1 時効により消滅し,履行の請求ができなくなった債権であっても,その消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には,これを自働債権として相殺をすることができるところ,本訴において訴訟物となっている債権の全部又は一部が時効により消滅したと判断される場合には,その判断を前提に,同時に審判される反訴において,当該債権のうち時効により消滅した部分を自働債権とする相殺の抗弁につき判断をしても,当該債権の存否に係る本訴における判断と矛盾抵触することはなく,審理が重複することもない
    2 民法508条が,時効により消滅した債権であっても,一定の場合にはこれを自働債権として相殺をすることができるとして,公平の見地から当事者の相殺に対する期待を保護することとした趣旨にもかなう。




     要は,ある訴えにおける債権(これを「A債権」とします。)の使い方です。


    【まとめ】

    1 A債権を,別の訴えを提起して請求すること。 → これはまさに重複する訴えの提起の禁止に当たります。

    2 A債権を,別の訴訟に相殺の抗弁として提出すること。 → これは重複する訴えの提起の禁止に当たります(最判平3.12.17)。

    3 反訴で請求しているA債権を,本訴に相殺の抗弁として提出すること。 → これは重複する訴えの提起の禁止に当たりません(最判平18.4.14)。
      
    4 本訴におけるA債権を,時効消滅したと判断された場合に,反訴に相殺の抗弁として提出すること。 → これは重複する訴えの提起の禁止に当たりません(最判平27.12.14)。


     
     
     なお,上記3の最判平18.4.14は,以下の記事で解説していますので,ぜひお読みください(2本ありますが,お好きな方をお読みください。)。

     ・ 最新判例解説講座(3)
     ・ 重複する訴えの提起の禁止に関する判例


     ちなみに,講義は,今日から択一式対策講座【理論編】民事訴訟法等が開講します。

     受講生の皆さん,頑張りましょう!!!


     では,また。
     

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    遺言者が自筆証書である遺言書の文面全体に故意に斜線を引く行為が民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当し遺言を撤回したものとみなされた事例(最判平27.11.20)
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     こんばんは。

     本日2本目の記事です。

      1本目: 保証人の主たる債務者に対する求償権の消滅時効の中断事由がある場合であっても,共同保証人間の求償権について消滅時効の中断の効力は生じない (最判平27.11.19)


     今回は,以下の最高裁判例です。

     
     遺言者が自筆証書である遺言書の文面全体に故意に斜線を引く行為が民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当し遺言を撤回したものとみなされた事例(最判平27.11.20)


     事実関係は,次のとおりです。


    (1) Aは,昭和61年6月22日,罫線が印刷された1枚の用紙に同人の遺産の大半を被上告人に相続させる内容の本件遺言の全文,日付及び氏名を自書し,氏名の末尾に同人の印を押して,本件遺言書を作成した。
    (2) Aは,平成14年5月に死亡した。その後,本件遺言書が発見されたが,その時点で,本件遺言書には,その文面全体の左上から右下にかけて赤色のボールペンで1本の斜線(以下「本件斜線」という。)が引かれていた本件斜線は,Aが故意に引いたものである。




     最高裁は,次のとおり判断しました(最判平27.11.20)。 

     

     本件のように赤色のボールペンで遺言書の文面全体に斜線を引く行為は,その行為の有する一般的な意味に照らして,その遺言書の全体を不要のものとし,そこに記載された遺言の全ての効力を失わせる意思の表れとみるのが相当である[。]
     本件遺言書に故意に本件斜線を引く行為は,民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当するというべきであり,これによりAは本件遺言を撤回したものとみなされることになる。したがって,本件遺言は,効力を有しない。



     ということで,Aの遺言は無効です。

      
     抽象的な方法論よりも,即効性のある具体的論点の解説@姫野司法書士試験研究所


     では,また。


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     こんばんは@渋谷です。

     始まりました,今週の出張。

     今日:2コマ
     明日:3コマ
     明後日:2コマ
     明々後日:合格者との座談会+祝賀会

     のスケジュールです。

     僕は,東京に遊びに来ているわけではないので,できるだけ収録をし,空いている時間は全て資料作成に充てるようにしています。

     ブログもいっぱい更新しようと,ネタを仕込んでいたのですが,ここにきて新ネタ登場です。

     最新判例が2件あります。

     今回は,そのうち1件の解説です。

     解説する判例は,次のとおりです。

     
     保証人の主たる債務者に対する求償権の消滅時効の中断事由がある場合であっても,共同保証人間の求償権について消滅時効の中断の効力は生じない (最判平27.11.19)。



     事実関係は,次のとおりです。


    1 Bは,Aに対して債権を有しており,当該債権に係る債務を,XとYが保証している。
    2 平成6年,Xは,Bに対し,その債務の全額を代位弁済をした。
    3 Aは,Xに対し,平成6年から平成13年までの間,その求償債務の一部を弁済した。
    4 平成14年5月20日,Xは,Aに対し,求償債権の残部の支払を求める訴えを提起し,同年9月13日,請求認容判決が言い渡され,その後,同判決は確定した。
    5 平成24年10月25日,Xは,Yに対し,求償金の残代金の支払を求める訴えを提起した。




     この訴訟における,YとXの主張は,次のとおりです。


     Y: XのYに対する求償権は,平成6年(=権利を行使することができる時)から10年を経過した時に,消滅している。
     X: Aに対して取得した求償権の消滅時効の中断により,共同保証人間の求償権についても消滅時効の中断の効力が生じている。




     最高裁は,次のとおり判断しました(最判平27.11.19)。 


     保証人が主たる債務者に対して取得した求償権の消滅時効の中断事由がある場合であっても,共同保証人間の求償権について消滅時効の中断の効力は生じない。



     ということで,Yの勝ちです。


     理由は,次のとおりです。

     民法465条に規定する共同保証人間の求償権は,主たる債務者の資力が不十分な場合に,弁済をした保証人のみが損失を負担しなければならないとすると共同保証人間の公平に反することから,共同保証人間の負担を最終的に調整するためのものであり,保証人が主たる債務者に対して取得した求償権を担保するためのものではない。

     つまり,共同保証人間の求償権は,保証人が主たる債務者に対して取得した求償権を担保するためのものではないため,保証人が主たる債務者に対して取得した求償権の消滅時効の中断事由がある場合には,それに連動して,共同保証人間の求償権についても消滅時効の中断の効力が生ずるわけではないということです。


     



     平成28年度司法書士試験における確実な合格を目指す受験生の方は,厳しい言い方をすれば,「受験生のマナー」として,少なくとも平成27年12月末までにあった最高裁判例については,押さえておくようにしましょう。

     
     では,また。


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