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    このブログは,多くの受験生の方が司法書士試験に合格するために開設しました。
    成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律と信託法
    【令和2年度(2020年度)対策の電子書籍】


    □ 記述式過去問集【不動産登記法】(昭和57年度~平成9年度)[民法(債権関係・相続関係)改正対応版]
     * 関連記事: 記述式過去問集【不動産登記法】(昭和57年度~平成9年度) [民法(債権関係・相続関係)改正対応版]
    □ 2020目標 不動産登記法の記述式問題対策 答案作成上のポイント
    □ 民法の重要判例(平成10年-平成31年・令和元年)





     
     こんにちは。

     久しぶりの更新となります。

     最新情報は,ツイッターでアップしているので,そちらも見てください。

     3月30日と31日に重要な通達が発出されています。

     登記というものは,申請が最初にあってのものであるため,こんなぎりぎりに,しかも,通達の名宛人を国民にしていないのもどうかと思いますが,まあいいでしょう。


    【民法(相続関係・配偶者居住権関係に限る。)改正に関する基本通達】
    「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(通達)(令22.3.30民二324号)

    【民法(債権関係)改正に関する基本通達】
    民法の一部を改正する法律等の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(通達)(令2.3.31民二328号)





     
     成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律により司法書士法が改正され,成年被後見人と被保佐人が司法書士の欠格事由ではなくなりました(司書法5条2号参照)。

     これは,成年被後見人等の人権が尊重され,成年被後見人等であることを理由に不当に差別されないようにするための改正です。

     なお,事理弁識能力を「欠く常況」にある成年被後見人や「著しく不十分」であり被保佐人が司法書士としての業務を行うことができるかという疑問があるかもしれませんが,成年被後見人等が「心身の故障により司法書士の業務を行うことができないとき。」は,日本司法書士会連合会は,その登録を拒否しなければならず(司書法10条1項2号),また,司法書士である成年被後見人等が「心身の故障により業務を行うことができないとき。」は,日本司法書士会連合会は,その登録を取り消すことができるとされている点には注意が必要です(同法16条1項2号)。


     ところで,成年被後見人や被保佐人は,信託の受託者になることができるでしょうか?

     この点も,成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律により信託法が改正され,成年被後見人や被保佐人も受託者としてすることができるようになりました(同法7条参照)。

     では,受託者が後発的に後見開始又は保佐開始の審判を受けた場合の登記手続はどうなるでしょうか?

     受託者の任務が後見開始又は保佐開始の審判により終了し,新受託者が選任された場合には,当該新受託者が単独で申請することができます(不登法100条1項)。

     また,受託者が2人以上ある場合において,そのうち少なくとも1人の受託者の任務が後見開始又は保佐開始の審判により終了したときは,他の受託者が単独で申請することができます(不登法100条2項)。

     これらの取扱いに変更はあるのでしょうか?



      『受託者が後見開始又は保佐開始の審判を受けた場合の登記手続』は,以下のバナーをクリックすると,見ることができます(反映が遅れている場合があります。期間限定です。)。
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    【まとめ】遺言の文言通りでない登記(2020.3.26改訂)

    こんにちは。


     今回は,遺言の文言通りでない登記【まとめ】です。

     「遺言の文言通りでない」には,2つの意味があります。

     まず,その遺言に基づく登記を申請することができるのは前提として,遺言の文言通りでないという意味です。

     次に,その遺言に基づく登記を申請することができないことから,遺言の文言通りでないという意味です。
     

    1 その遺言に基づく登記を申請することができることを前提として,遺言の文言通りでない場合



     具体的には,遺言書に「相続」とあるのに「遺贈の登記」を申請する場合と,遺言書に「遺贈」とあるのに「相続登記」を申請する場合です。

     この点については,以下の記事をお読みください。

     遺言の文言通りでない登記【問題編】
     遺言の文言通りでない登記【解答編】


    2 その遺言に基づく登記を申請することができないことから,遺言の文言通りでない場合



     今回説明したかったのは,こちらのパターンです。

     具体的には,以下の場合です。


     (1) 相続させる趣旨の遺言で,受益者が遺言者よりも前に死亡した場合
     (2) 遺贈する旨の遺言で,受遺者が遺言者よりも前に死亡した場合
     (3) ???
     (4) ???




     以下,論点を確認します。


     (1) 相続させる趣旨の遺言で,受益者が遺言者よりも前に死亡した場合



     以下のような先例と判例があります。

    【先例】
     遺言者が,その者の法定相続人中の1人であるAに対し,「甲不動産をAに相続させる」旨の遺言をして死亡したが,Aが遺言者よりも先に死亡した場合には,Aの直系卑属A’がいるときであっても,遺言書中にAが先に死亡した場合にはAに代わってA’に相続させる旨の文言がない限り,甲不動産は,遺言者の法定相続人全員に相続されると解されるため,その相続登記を申請すべきである(民法994条1項類推適用,昭62.6.30民三3411号)。

    【判例】
     遺産を特定の推定相続人に単独で相続させる旨の遺産分割の方法を指定する「相続させる」旨の遺言は,当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には,当該「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係,遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などから,遺言者が,上記の場合には,当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り,その効力を生ずることはない(最判平23.2.22)。


     (2) 遺贈する旨の遺言で,受遺者が遺言者よりも前に死亡した場合



     次のような条文があります。

     遺贈は,遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは,その効力を生じない(民法994条1項)。

     遺贈が,その効力を生じない場合には,遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときを除き,受遺者が受けるべきであったものは,相続人に帰属する(民法995条)。


     (3) ???
     (4) ???




     この度,「2 その遺言に基づく登記を申請することができないことから,遺言の文言通りでない場合」に二つのケースを加えることとしました。

     
     そのうちの一つは,相続関係の改正を含みます。





     
     「その遺言に基づく登記を申請することができないことから,その文言が遺言通りでない場合」 が出題された場合,別紙として示された遺言書(統計的に見て,公正証書遺言と考えられます。)を無視することになります。

     今まであったでしょうか?


     「別紙を無視するのが正解」という記述式問題が。


     その遺言書に基づく登記を申請することができないと判断する実体法の知識とともに,単純に勇気が必要となります。


     では,また。


      『2 その遺言に基づく登記を申請することができないことから,遺言の文言通りでない場合」に加えられた二つのケース』は,以下のバナーをクリックすると,見ることができます(反映が遅れている場合があります。期間限定です。)。
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    登記識別情報を提供することができない場合には,司法書士□□□□の作成に係る申請人が申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために必要な情報を提供する方法によることとする。

     こんにちは。


     今回は,不動産登記法の記述式問題の解法についてお話しします。

     掲題の補足事項ですが,一度はご覧になったことがあると思います。


     登記識別情報を提供することができない場合には,司法書士□□□□の作成に係る申請人が申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために必要な情報を提供する方法によることとする。




     試験としての性質上,ちゃんと分かっておかなければならないこととして,この補足事項は,およそ登記識別情報を提供できない場合がない場合には示されないということです。

     逆にいうと,この補足事項が示されているということは,どこかで本人確認情報を作成するということです。

     したがって,この補足事項が示された問題において重要なことは,どの登記の申請について本人確認情報を提供するかということです。

     この点,現実的に考えて,所有権「以外」の権利の登記名義人について登記識別情報が通知されていない事態は想定できないため,所有権の登記名義人が登記義務者となる登記につき丁寧に登記識別情報の提供の可否を検討すれば足ります。

     といっても,この作業は結構大変ですから,不動産情報(登記事項証明書),事実関係及び聴取内容から登記識別情報が通知されていない場合を把握しておくことが効率的です。

     では,不動産情報(登記事項証明書),事実関係及び聴取内容において,登記識別情報が通知されていないという情報はどのように示されるでしょうか?

     ここでは,不動産情報(登記事項証明書)における登記識別情報が通知されていないという情報の把握について検討しましょう。

     多くの方がすぐに把握できる場面として,「債権者代位の登記」があります。

     代位の登記がされていたら,すぐに,登記識別情報が通知されていないと判断してください。

     もう一つ,登記識別情報が通知されていないと「予想」するべき場面があります。

     それは,どのような場面でしょう?


       『登記識別情報が通知されていないと「予想」するべき場面』は,以下のバナーをクリックすると,見ることができます(反映が遅れている場合があります。期間限定です。)。
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    不動産登記法の記述式問題で登記不可事項を問う問題が出題されない理由に関する一考察
     
     こんばんは。


     現在,不動産登記法の記述式問題では,登記不可事項を問う問題が出題されていません。


     商業登記法の記述式問題では,ほぼ毎年出題される上,近年では,登記不可事項がない場合もあることが示されたり,登記をするために必要な決議が問われるなど,進化が見られます。

     これに対して,不動産登記法の記述式問題においては,平成10年度から平成12年度までの3回の司法書士試験において登記不可事項を問う問題が出題されて以来,出題がありません。

     ちなみに,登記不可事項を問う問題が出題された平成10年度から平成12年度は,とても変な出題です。

     なぜなら,「契約はすべて有効に成立している」ものとされるにもかかわらず,「申請することができない登記とその理由」を解答しなければならないからです。

     明らかに矛盾していますよね?


     話を戻します。


     同一の出題傾向があまり続かない不動産登記法の記述式問題ですが(※),これは,あまりに商業登記法の記述式問題とのバランスが取れていない気がします。 

    ※ 事実関係の一部を変更した後の申請すべき登記について問う仮定問題は,平成17年度から平成19年度までに出題されましたし,添付情報欄の出題工夫も数年単位で変化します。


     その理由をずっと考えていましたが,現段階での到達点を共有させてください。
     

       『僕が考える不動産登記法の記述式問題で登記不可事項を問う問題が出題されない理由』は,以下のバナーをクリックすると,見ることができます(反映が遅れている場合があります。期間限定です。)。
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    『「不動産登記記録例を理解することが,不動産登記の深奥を究める最短距離です。」(テイハンHPより)』の続きです。

     こんばんは。

     以前,以下の記事を書きました。

     「不動産登記記録例を理解することが,不動産登記の深奥を究める最短距離です。」(テイハンHPより)

     概要としましては,登記記録例という公的情報が,テイハンさんにだけ渡され,なぜ一般に手に入らないのか?という疑問をぶつけるものです。

     「商事課の方は先例いっぱい掲載されていますが,第二課は掲載しないのですか?」という問いに,「そんなこと知りませんよ!」って言われましたからね...

     今考えてもおかしいです。

     僕は,上記記事にあるように,その登記記録例を情報公開請求して入手し,知っている講師の方々にプレゼントしています。

     その登記記録例に関して,司法書士内藤先生のブログに以下のような記事がありました。

     「不動産登記記録例」(平成28年6月8日付け法務省民二第386号民事局長通達)

     ところで,標記記録例については,書籍としては,テイハンから発刊されているが,法務省HPには,掲載されないままである。(上記内藤先生の記事より引用)




     そうですよね!内藤先生!

     もっと言ってください!!


     すると,次に,司法書士内藤先生のブログに以下の記事がありました。

     不動産登記記録例

     日本司法書士会連合会のNSR-3(会員用ページ)に掲載されるようになったみたいです。

     僕もダウンロードしようと思ったのと(データ持っているにもかかわらず),それと同時に,嫌な予感がしたので確認してみると,嫌な予感が的中しました。

     その予感とは...


     目次がない!!


     テイハンさんのHPには目次があったのですが,それはテイハンさんが書籍として刊行する際に作成したんですね。


     テイハンさん.!

     目次,ありがたく使用させていただきます!!

     さっきは申し訳ありませんでした!!!


     登記記録例が受験に役立つか疑問に思う皆さん,クリックお願いします!!
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    一つの申請情報による複数の抵当権の登記の抹消

     こんばんは。

     今回も,不動産登記法の話をさせてください。

     不動産登記法の記述式問題の出題実績を振り返ると,抵当権の登記の抹消の出題頻度が高いことに気付きます。

     そこで,今回は,抵当権の登記の抹消を扱います。






     まず,以下の実例をお読みください。


     同一の不動産を目的として,同一人を抵当権者とする数個の抵当権の設定の登記がされている場合において,同一の登記原因により当該登記を抹消するときは,1つの申請情報により申請することができる(登記研究401号P162)。




     同一の不動産同一人を抵当権者とする複数の抵当権が設定されている場合に,同一の登記原因(及びその日付)により,それらの抵当権の登記の抹消は,一つの申請情報により抹消することができるとするものです。

     本試験においては,一つの申請情報による申請が可能であることを前提として,その登録免許税が,不動産の個数1個につき1,000円であることが問われています(平成25年度午後の部第27問ウ,平成12年二次試験第11問オ)。


     ここからが,過去問分析です。


     上記の登記研究は,複数の抵当権の抵当権者の同一性を求めていますが,抵当権者が異なる場合には,同一の不動産で同一の登記原因であっても,一つの申請情報により抹消することができないのでしょうか?

     この点については,以下の実例が明らかにしています。
     

     抵当権者を異にする数個の抵当権の登記の抹消は,たとえ登記原因及びその日付が形式的に同一であっても,1つの申請情報により申請することはできない(登記研究421号P107)。




     結論としては,できないということです。

     この知識は未出ですが,出題実績がある上記の実例と併せて覚えておきましょう。


     ただし!


     実は,抵当権者が異なる場合でも,複数の抵当権の登記を一つの申請情報により抹消することができる場合があります。

     
     『抵当権者が異なる場合でも,複数の抵当権の登記を一つの申請情報により抹消することができる場合』は,以下のバナーをクリックすると,見ることができます(反映が遅れている場合があります。)。
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    所有権の登記の抹消と前提登記としての登記名義人の表示の変更の登記の要否

     こんばんは。

     今回は,所有権の登記の抹消の前提登記としての登記名義人の表示の変更の登記の要否について検討します。


     例えば,以下のような登記記録において,3番所有権の登記の抹消を申請するとして,A又はBに表示の変更があったときは,抹消の前提として,A又はBの表示の変更の登記を要しますか?


      

     (甲区)
       3 所有権移転 甲市 A
       4 所有権移転 乙市 B




     まずは,Aに表示の変更があった場合。

     この場合,Aが現在の所有権の登記名義人でないことから,前提としてAの表示の変更の登記を要せず,この場合,抹消の申請情報と併せて,Aの表示の変更を証する情報を提供しなければならないとされています。

     これは,非常に重要な論点です。


     次に,Bに表示の変更があった場合。

     この場合,前提としてBの表示の変更の登記を要するとされています。

     このように,所有権の登記名義人が登記義務者となる場合においては,表示の変更の登記を省略することができません

     このことは,所有権以外の登記名義人が登記義務者となる場合においては,表示の変更の登記を省略することができることと比較する必要があります。

     ただ,「所有権の登記名義人が登記義務者となる場合においては,表示の変更の登記を省略することができない」というルールには,例外があります。


     その例外は,何でしょうか?


     『所有権の登記名義人が登記義務者となる場合においては,表示の変更の登記を省略することができない」というルールの例外』は,以下のバナーをクリックすると,見ることができます(反映が遅れている場合があります。)。
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    存続期間は,本日から252 か月とする。

     こんばんは。

     今日は,講義でご質問を受けた内容を膨らませて,記事を書いてみます。

     テーマは,「存続期間は,本日から252 か月とする。」です。


     平成30年度司法書士試験の不動産登記法の記述式問題においては,区分地上権の設定の登記の申請情報を作成する問題が出題されました。

     別紙として示された「地上権設定契約書」においては,「期間」として,「存続期間は,本日から252か月とする。」旨の定めが示されました。

     「期間」を『「何年間」と示す。』と覚えていた受験生の方は,252か月を12で割って,年単位にしたみたいですが,正解は,以下のように記載します。

     

    存続期間 252か月








     登記をする際に,「期間」が登記されることがあります。

     不動産登記では,共有物分割禁止の定めの期間,買戻期間や用益権の存続期間」,商業登記では,会社の存続期間新株予約権の行使期間です。

     これらの「期間の記載」を,まとめておきましょう。






    1 共有物分割禁止の定め

         「特約 何年間共有物不分割


    2 買戻期間

         「?????


    3 用益権の存続期間

         「?????


    4 会社の存続期間

         「存続期間 会社成立の日から満何年


    5 新株予約権の行使期間

         「新株予約権を行使することができる期間 令和何年何月何日まで







     『「買戻期間」と用益権の存続期間』は,以下のバナーをクリックすると,見ることができます(反映が遅れている場合があります。)。
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    民法(債権関係)の改正の不動産登記事務への影響(2)
    【秋から始める2020年度本試験対策】








     こんにちは。

     
     民法(相続関係)の改正に比べて,登記実務への影響が小さい民法(債権関係)の改正ですが,影響がないわけではなく,勉強をしているとふと疑問に思うこともあります。

     その疑問を一緒に共有していきたいと思います。

     




     第2回は,併存的債務引受があった場合の抵当権の変更の登記についてです。


     民法(債権関係)の改正の不動産登記事務への影響(1)-買戻しの特約の登記事項-

     
     現行の民法には,債権の譲渡に関する規定はあっても,債務の引受に関する規定はありませんでした。
     
     しかし,債務引受は,大昔から認められていたため,民法(債権関係)の改正により,債務引受に関する規定が創設されます。

     債務引受には,併存的債務引受(民法470条・471条)免責的債務引受(同法472条から472条の4)があります。


     そして,債務引受があった場合の現在の登記手続は,次のとおりです。


     債務引受があった場合には,抵当権の変更の登記を申請する。

     登記原因は,免責的債務引受があった場合は「免責的債務引受」であり,併存的債務引受があった場合は,「重畳的債務引受」である(登記記録例408,409)。




     もうお気付きだと思います。


     問題は,併存的債務引受があった場合の登記原因が「重畳的債務引受」であるという点です。

     新しい民法の規定に合わせて,「併存的債務引受」とされるか?


     民法(債権関係)の改正に伴う登記事務の取扱いについてという登記先例で示されるのか?
     
     それとも,登記記録例通達のアップデートで示されるか?

     ちなみに,不動産登記の登記記録例通達の最新は,平21.2.20民二500号ではなく,平28.6.8民二386号です。

     法務省がこれをテイハンにか渡していないことから入手に苦労したという話は,またいつかしますね。

     そもそも,この先もずっと「重畳的」という用語でいくかもしれませんが。

     この議論を推し進めると,不動産登記の出題について,ある一定の結論が見えてきます。



     『不動産登記の出題における一定の結論』は,以下のバナーをクリックすると,見ることができます(反映が遅れている場合があります。)。
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    民法(債権関係)の改正の不動産登記事務への影響(1)
    【秋から始める2020年度本試験対策】








     こんにちは。

     
     民法(相続関係)の改正に比べて,登記実務への影響が小さい民法(債権関係)の改正ですが,影響がないわけではなく,勉強をしているとふと疑問に思うこともあります。

     今回から,その疑問を一緒に共有していきたいと思います。

     




     第1回は,買戻しの特約の登記事項についてです。


     民法(債権関係)の改正後の民法579条は,次のとおりです。


     (買戻しの特約)
    第579条 不動産の売主は,売買契約と同時にした買戻しの特約により,買主が支払った代金(別段の合意をした場合にあっては,その合意により定めた金額。第583条第1項において同じ。)及び契約の費用を返還して,売買の解除をすることができる。この場合において,当事者が別段の意思を表示しなかったときは,不動産の果実と代金の利息とは相殺したものとみなす。




     買主が支払った代金にかっこ書で「別段の合意により定めた代金」が追加されたため,買主が支払った代金よりも小さい金額での買戻し等が可能となりました。
     

     これを受けて,不動産登記法96条が改正されました。


     (買戻しの特約の登記の登記事項))
    第96条 買戻しの特約の登記の登記事項は,第59条各号に掲げるもののほか,買主が支払った代金(民法第579条の別段の合意をした場合にあっては,その合意により定めた金額)及び契約の費用並びに買戻しの期間の定めがあるときはその定めとする。



     まだ改正されていませんが,不動産登記令別表64項申請情報欄についても改正され,「民法第579条の別段の合意をした場合にあっては,その合意により定めた金額」が申請情報の内容になると考えられます。


     ところで,以下のような登記先例があります。


     買主が支払った代金(買戻代金)を増額する変更の登記の申請は,却下される(昭43.2.9民事三34号)。




     平成30年度午後の部第12問イ平成26年度午後の部第19問エで出題されています。


     そして,上記のとおり,買戻代金を合意で定めることができるのであれば,当初定めた買戻代金を合意により変更することができるということになることから,買主が支払った代金(買戻代金)を増額する変更の登記の申請は,却下されないという結論になるのではないでしょうか?

     
     では,僕が講義する予備校であるTACのパーフェクト過去問集では,正誤はどうなっているでしょうか?


     『TACのパーフェクト過去問集における解答』は,以下のバナーをクリックすると,見ることができます(反映が遅れている場合があります。)。
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