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    自己新株予約権

     こんばんは。

     昨日一昨日と,東京でBuild-Up講座でした。

     今回は,Build-Up講座の会社法・商業登記法の講義でも繰り返し説明している,『自己新株予約権』について説明します。




     自己新株予約権に関する話は,自己株式との比較で押さえていただきたいので,まず,自己株式の話をします。

     会社は,募集株式として,新株か,自己株式かを選択することができ,さらには,新株と自己株式とを混ぜて発行することもできます(平成19年の記述式問題も,この形態が問われています。)。

     いずれにせよ,募集の手続は,同じです。そのため,『募集株式の発行』という表現が用いられており, 『等』は,『処分』を意味しています。

     そして,会社は,自己株式を,取得請求権付株式,取得条項付株式,全部取得条項付種類株式又は取得条項付新株予約権の取得の対価,株式無償割当て等に利用することができ,この場合も,新株と自己株式を混ぜることができます。

     以上が,自己株式の話です。

     では,以上のことは,そのまま自己新株予約権にも当てはまるのでしょうか?

     会社は,新株予約権を引き受ける者の募集をすることができますが,ここでは,新株予約権を新たに発行することしかできません。

     よく『会社は,自己株式とは異なり,自己新株予約権を自由に処分することができる。』という説明を受けると思いますが,このことを逆にいうと,会社は,自己新株予約権を,募集の手続により処分することはできないということです。

     その理由は,次のとおりです。

     株式というものは,まず,種類が定まり,そこから発行されていくものです。

     これに対して,新株予約権は,発行ごとに種類が定まるものです。

     すなわち,まったく同じ内容(払込価額,もらえる株式数,行使期間等)の新株予約権であっても,発行の時期が異なれば,第○回新株予約権,第○○新株予約権というように,まったく異なる新株予約権となります。

     これに対して,株式は,発行時期が異なっても,同じ種類の株式を発行したのであれば,当然,それらの株式は同じ種類の株式ということになります。

     そうすると,会社が第1回新株予約権を発行した後,自己新株予約権として取得し,その後,その自己新株予約権を募集の手続で使うことを認めると,第2回新株予約権となり,法律上は,1回の新株予約権なのに,それが第1回と第2回の新株予約権ということになってしまいます。

     そのため,自己新株予約権を引き受ける者の募集をすることはできません。

     では,自己新株予約権は,取得請求権付株式,取得条項付株式,全部取得条項付種類株式又は取得条項付新株予約権の取得の対価,新株予約権無償割当て等に利用することができるのでしょうか?

     これは,可能とされています。

     そして,この場合,自己新株予約権を利用することも可能です。

     ただ,注意を要するのは,全部を自己新株予約権とすることが許され,新規新株予約権と自己新株予約権を混ぜることはできないということです。

     以上は,中上級の受験生の方でも,きちんと理解されていない部分ですので,考えてみて下さい。

     というか,以上の内容が書かれていないテキストは,ちょっと…(笑)

     では,また。

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