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    社外取締役である旨の登記をすべき場面(5)
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     こんにちは。

     今回が最終回です。

     社外取締役である旨の登記をすべき場面(1)
     社外取締役である旨の登記をすべき場面(2)
     社外取締役である旨の登記をすべき場面(3)
     社外取締役である旨の登記をすべき場面(4)

     今回も,以下の内容についてです。

     2 会社法上社外取締役である旨の登記をすべき場面に該当した場合には,すべての社外取締役について社外取締役である旨の登記をしなければならないのか?



     最終回である今回は,社外取締役である旨の登記をすべき場面のうち,社外取締役が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがある場合(会社法911条3項25号)を取り上げましょう。

     問題点ですが,今まで検討した,特別取締役による議決の定めがある場合や委員会設置会社である場合とは,異なります。

     この点を少し検討すると,

     特別取締役による議決の定めをする場合や委員会設置会社の定めを設定する場合には,一定数の社外取締役の存在が必要とされていますが,社外取締役が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めを設定する場合には,一定数の社外取締役の存在は不要です。

     では,社外取締役が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めを設定する場合独自の社外取締役の問題点を考えましょう。

     問題点とは,ある株式会社にいずれも社外取締役であるAとBがいた場合において,Aについては責任限定契約を締結し,Bについては責任限定契約を締結しないときは,AとBにつき社外取締役である旨の登記をするのでしょうか?

     この点について,会社法の立案担当者は,次のような見解を採用しています(相澤等・論点解説P298)。

     責任限定契約を締結する社外取締役と締結しない社外取締役とがいる場合,後者については社外取締役である旨を登記する必要はない。



     もっと正確にいえば,株式会社が現実に責任限定契約を締結しようとするときに社外取締役である旨の登記をするということです(今となっては懐かしい葉玉先生のブログのこの記事のA1及びA2参照。これ以外の出典としては,登記情報540号P6,登記情報539号P8参照)。

     これに対して,松井先生の見解は,次のとおりです(商業登記ハンドブックP59,491)。
     

     この解釈(注:上記の会社法の立案担当者の解釈)は,「取締役のうち社外取締役であるもの」に関し社外取締役である旨の登記義務を課す会社法911条3項25号の規定振りに照らし,難があることは否めず,「締結しようとするとき」という主観的要件により過料の制裁のある登記義務を課すことも適当でないので,立法趣旨に沿った適切な要件に文言が改正されることは期待される。それまでの間は,条文の解釈は上記のとおりであるとしても(もっとも,公権的な解釈権限は裁判所が有している。),登記申請人において,広く「締結しようとするとき」に該当するものとして社外取締役である旨の登記申請を行い,会社法911条3項25号の規定振りと乖離しない状態にしておくことが望ましい。



     さて,どっちの見解によるべきか?

     僕は,試験対策上は,会社法の立案担当者の見解によるべきだと思います。というのも,例えば,試験委員があえて問題文に「取締役Aは,責任限定契約を締結する予定はない」と書いているのに,取締役Aにつき社外取締役である旨の登記をするおとは,減点される可能性が高いといえるからです。

     ちなみに,社外取締役が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めの設定の論点は,平成19年度に出題されています。

     どういう問題だったと思いますか?

     過去問って,単にやるだけだと面白くないですが,こうやって論点を知り,その出題手法を探る形で確認すると,面白いですよ。

     平成19年度においては,申請会社は,登場する社外取締役全員と責任限定契約を締結しているため,上記の問題点は顕在化しませんでした。残念!

     なお,今日の論点から導かれることとして,社外取締役等の会社に対する責任の制限に関する規定の設定の登記の申請は,社外取締役等である旨の登記の申請と併せてする必要はない(小川等・通達準拠P225)という知識があります。この点は,会計監査人に関してですが,H25-pm33-オに出題済みです。

     H25-pm33.jpg

     では,また。

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