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    推論問題に関する一考察(3)

     こんにちは☆

     推論問題に関する一考察です。

     今回取り上げる過去問は,


     17-5と10-2に出題されている,表見代理と無権代理人の責任の関係についての推論問題です。

     これもおなじみの論点で,難易度は高くないと思いますが,問題の所在が分かっていない人が多いので少しだけ解説すると,

     この2つの推論問題の題材となっている判例の要旨の1つに,民法117条2項の過失は『重過失』に限るものではないというものがあります。

     表見代理を成立させるためにも,無権代理人の責任追及をするためにも,善意・無過失であることを要することから,判例の原審は,117条2項の過失は,重過失と読むべきと解釈しました。

     これにより,相手方は,まず,表見代理の主張をし,過失があるときに初めて無権代理人の責任追及をし,重過失がない限り,履行又は損害賠償の請求をすることができるということになります。

     つまり,判例の原審は,無権代理人の責任追及の制度は,補充的な責任と考えたわけです。

     これに対して,判例は,そうではなく,選択的な制度であると考えています。

     これは,表見代理も無権代理の一種であり,表見代理の制度も無権代理人の責任追及の制度も相手方保護の制度として機能しているということを重視したものです。

     この論点が再度出題される可能性は,近年の傾向からすると,十分にあります。

     そして,以上の話は,理由の1つとして出題される可能性があります。

     『民法117条2項の過失は,重過失と読むべきである。』

     これは,17-5でいうと,乙説の根拠となります。

     では,また☆

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