このブログは,多くの受験生の方が司法書士試験に合格するために開設しました。
    隠された登記事項②
     こんばんは。

     今日から、択一式対策講座【実践編】のレジュメ作成を開始しました。

     レジュメは、図表中心で、かつ、既出・未出の設問別問題をセットにすることにより、効率的に出題予想事項を整理することができるものとなります。択一式対策講座【実践編】を受講する予定の皆さん、特に、【理論編】を受講されていて今僕からいじめられている皆さん笑、ご期待ください。皆さんが今苦しんで理解・暗記している事項が全部クリアになるようなレジュメが待っていますよ。

     さて、だいぶ日が経ってしまいましたが、隠された登記事項の続きをやりましょう。今回が最終回です。

     隠された登記事項①では、皆さんに、一定の項目を見てどういう論点が喚起されるかを検討していただきました。商業登記法は特にそうなんですが、試験委員は、適当に問題作っていると出題する論点が決定されたというよりは、特定の論点を出題することを決定し、その論点を出題するために、申請会社を設定しているものと考えられます。そうであるならば、一定の項目には、その問題の中で出題される論点の要素が示されていると考えられます。

      隠された登記事項①

     ・ 商号

     商号の変更は、問題文導入部に申請会社の商号を示すことが通常であることとの関係上、記述式問題の論点としては出題しにくいです。一定の工夫をすれば出題することができますが、どういう工夫かについては、平成22年度の商業登記法の記述式問題が参考となります。すなわち、依頼日と申請日を別にすれば、商号の変更の有効性を受験生の方に判断させることができます。他にも工夫がありますが、それについては、記述式対策講座で説明させてください。

     ・ 本店

     特に考慮することを要しません。『本店の移転が出題されているのではないか?』なんて考えないこと。それは、論点の喚起ではなく、心配性です。ちなみに、本店の移転は、平成23年度で出題されているので、平成24年度における出題可能性はかなり低いと考えます。

     ・ 公告をする方法

     二重公告による個別催告の省略の可否を決定しておくとともに、申請会社が行った公告方法が、ここの公告をする方法と整合しているかを確認する必要があります。平成14年度の問題はまさにその点のひっかけでした。
     また、公告をする方法が電子公告以外であれば、貸借対照表電磁的開示が設定される可能性があり、公告をする方法が電子公告であれば、貸借対照表電磁的開示の設定は申請代理不可事項となりますが、特別に貸借対照表のためにURLを設定することができるとされていますので、その点の区別をしっかり行わなければなりません。

     ・ 会社成立の年月日

     問題によっては、役員の任期の起算点となることがあります。

     ・ 目的

     あえて目的を示している場合には、目的の変更がされる可能性が高いです。目的については、具体的である必要はないが、明確でなければならないとされています。でも、ある目的の記載が具体的であるか明確であるかの判断を受験生にさせることはできないはずですので、目的の変更に関しては一点だけ、目的の変更があった場合には、元本の確定前の根抵当権の債務者等に変更があった場合と同様に、一覧性を重視し、全部の目的を書き直さなければならないことだけ、注意しておきましょう。

     ・ 発行可能株式総数

     発行可能株式総数については、発行済株式の総数の差に注意してください。差が小さいときは、株式発行行為の前提として、発行可能株式総数を増加する定款の変更をする可能性が高くなります。

     ・ 発行済株式の総数並びに種類及び数

     発行済株式の総数等については、発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容と見比べて、申請会社が発行すると定めている種類株式の全部が発行済みであるかを確認してください。例えば、ある申請会社がA種類株式とB種類株式を発行する旨を定めている場合において、発行済株式の総数欄にA種類株式しか掲げられていないときは、B種類株式は未発行であることを示しています。そうすると、B種類株式に取得条項を付す場合でもB種類株式の種類株主全員の同意は要りませんし、B種類株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議も不要となります。

     ・ 資本金の額

     5億円以上であるかを確認し、申請会社が大会社であるかを確認しましょう。大会社である場合には、会計監査人設置会社の定めを廃止することができません。

     ・ 発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容

     前記のとおり、発行済株式の総数との関係に注意するほか、種類株式の内容(取得請求権付株式、取得条項付株式、議決権制限株式、取締役等選解任権付株式等)を確認しておきましょう。

     ・ 株式の譲渡制限に関する規定

     発行する各種類株式の内容を参考にしながら、申請会社が公開会社であるか否かを確認しましょう。
     なお、僕が申請会社が公開会社化するパターンとして重視しているのは、例えば、A種類株式とB種類株式を発行する定めを置く申請会社に「当会社のA種類株式及びB種類株式を譲渡により取得するには、取締役会の承認を受けなければならない。」という定めがある場合、公開会社となるには、A種類株式又はB種類株式あるいはその両方の株式の譲渡制限に関する規定を削除すれば良いのですが、これだと公開会社となったことが受験生に気付かれやすいので、いっそ、譲渡制限株式でないC種類株式を発行する定めを置くこととすれば、問題文に株式の譲渡制限に関する規定という文言を一切示さないで、公開会社化することができます。こういう出題パターンには注意しておきましょう。

     ・ 役員に関する事項

     通常の任期であれば、取締役は平成22年、監査役は平成20年で就任又は重任の登記がされているときは、その問題の中で任期満了退任を迎えるため、役員変更の論点、しかもタイムチャートを作成しなければならないめんどくさいものが出題されている可能性が高くなります。記述式対策講座では、役員変更の論点を完璧にしていただくべく、タイムチャートの作成方法から説明させていただきます。

     ・ 新株予約権に関する事項

     当該新株予約権の行使の可能性、当該新株予約権の新株予約権者が取得することとなる株式の数の留保、当該新株予約権の行使期間の満了等を喚起しておきましょう。

     ・ 取締役会設置会社に関する事項
     ・ 会計参与設置会社に関する事項
     ・ 監査役設置会社に関する事項
     ・ 監査役会設置会社に関する事項
     ・ 会計監査人設置会社に関する事項 

     以上については、廃止できるかという点を検討しておきましょう。
     なお、会社法施行後の商業登記法の記述式問題において、真正面から題材とされていないのは、取締役会設置会社の定めだけです。それ以外は出題されていて、出題回数トップは、監査役会設置会社の定め関係で、もう3回出題されています。

     以上が、論点の喚起です。
     
     で、平成23年度の問題で示された隠された登記事項への対策ですが、僕は、その省略された事項が、問題では使わないから省略されているのか、それとも意図的に隠されているのかは、議事録等を検討してみないと分からないし、問題で解くのに使用する情報であれば、問題文のどこか、といっても議事録か聴取記録ですが、そこに書かれているはずなので、結論として、隠された登記事項はまったく気にする必要がないということになります。登記事項で隠されていても、『あ、取締役会設置会社だったのか!』って感じで、議事録を見ればすぐに分かります。なお、隠される登記事項としては、定款で定めなければならない事項だと考えられるため、例えば、資本金の額とか発行済株式の総数は、隠されないと思います(平成23年度でも隠されませんでした。)。

     何より僕が平成24年度で怖いなと思うのは、文章型の商業登記法の記述式問題です。この点は、また今度書きますね。

     では、また。
     

    【現在進行中の企画】
    <絶対会社法>
     絶対会社法 第1回
     絶対会社法 第2回
    <隠された登記事項>
    ※ 終了しました。
     隠された登記事項①
     隠された登記事項②
      
    【真正面から平成24年度対策の電子書籍】
    □ 平成24年供託規則の一部改正(案)の解説
    □ 平成23年民訴法及び民保法の一部改正の解説
    □ 平成24年度対策 司法書士試験の過去問【会社法及び商法】(平成18年度以降)
    □ 平成24年度対策 司法書士試験の過去問【商業登記法】(平成18年度以降)
    □ 会社法施行後の判例集(平成23年9月12日版)
    □ 平成24年度対策 商業登記法の記述式問題における申請代理不可事項
    □ 民法等の一部を改正する法律(児童虐待防止のための親権に係る制度等)の解説
    □ 平成24年度対策 法人法基本通達完全対応問題集
    □ 動産・債権譲渡特例法のポイント


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