このブログは,多くの受験生の方が司法書士試験に合格するために開設しました。
    取得時効と登記②

     こんばんは。

     予備校講師のブログがいつまでも基準点発表の記事だけだと面白くないと思ったりもするので,ちゃんと平成25年度司法書士試験で役立つ話をしましょう。

     先日出題した取得時効と登記の問題の解答等です。

     問題を再掲すると,次のとおりです。

     甲土地の所有権を時効取得してその旨の登記を有するAが,当該時効の完成後にされたBの抵当権の設定の登記後,引き続き時効取得に必要な期間占有を継続し,その期間の経過後に取得時効を援用したときは,AがBの抵当権の存在を容認していたなど抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り,Aは,甲土地を時効取得し,Bの抵当権は消滅する。



     この問題について,65%の受験生の方が×と,35%の受験生の方が○と判断しました。

     正解は,×です。

     出題の意図としては,まだ出題されていない取得時効と登記の判例を題材とするだけでなく,出題されていない判例3のうち2つをミックスし,新しい方の判例のいう『抵当権の存在を容認していたなど抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り』というフレーズを使用することにより,うろ覚えの受験生の方のミスを誘発することです。

     でも,そんな意図もあまり役立たず,65%の受験生の方が正解されました。おめでとうございます。この時期で,ちゃんと判例押さえていて,近頃の受験生の方は凄いなと,本当にそう思いました。とともに,簡単に正解されたことに少し怒りを覚えます。問題出し甲斐ねーなって感じで笑

     こういうと,『俺(私)は不正解だった…。』と思われるかもしれませんが,僕の設定する模範的な受験生の方は不正解ですから,これから覚えれば良いんです。皆さんが絶対避けるのは,本試験の現場で間違えること。したがって,このブログで出題される問題もそうですが,本試験以外の場では,どんどん間違っていきましょう。ただし,同じ事項(論点・知識)で間違って良いのは,1回だけね。間違ったら徹底的に復習して,二度と間違わないように努力しましょう。といっても,本試験以外の場なら,間違っても全然OKです。

     


     今回は,取得時効と登記に関する未出の判例3件の要旨を掲げておきます。意味はまた今度説明しますが,必ず覚えておきましょう。僕の中上級講座を受講する予定の皆さんは,レジュメにばっちり解説付きで掲載があるので,近々覚えようかぐらいの感覚でお願いします。

     1 取得時効の援用により不動産の所有権を取得してその旨の登記を有する者は,当該取得時効の完成後に設定された抵当権に対抗するため,その設定登記時を起算点とする再度の取得時効の完成を主張し,援用をすることはできない(最判平15.10.31)。

     2 不動産につき賃借権を有する者がその対抗要件を具備しない間に,当該不動産に抵当権が設定されてその旨の登記がされた場合,上記の者は,上記登記後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,当該不動産を継続的に用益したとしても,競売又は公売により当該不動産を買い受けた者に対し,賃借権を時効により取得したと主張して,これを対抗することはできない(最判平23.1.21)。

     3 不動産の取得時効の完成後,所有権の移転の登記がされることのないまま,第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権の設定の登記を了した場合において,上記不動産の時効取得者である占有者が,その後引き続き時効取得に必要な期間占有を継続したときは,上記占有者が上記抵当権の存在を容認していたなど抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り,上記占有者は,上記不動産を時効取得し,その結果,上記抵当権は消滅する(最判平24.3.16)。


     
     では,また。

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