このブログは,多くの受験生の方が司法書士試験に合格するために開設しました。
    平成25年度の記述式問題対策(3)
     こんにちは。

     またまた日が空いてしまいましたが,平成25年度の記述式問題対策をやりましょう。

     でも,焦る必要はありません。大多数の受験生の方は,この時期に記述式問題対策を真剣に考えることはしませんから。皆さんは,そういう受験生の方に比べて,一歩二歩どころか,百歩リードです。

     平成25年度の記述式問題対策(1)
     平成25年度の記述式問題対策(2)

     前回は,不動産登記法の記述式問題で出題される『論点』について検討しました。今回も,その続きです。

     前回のとおり,近年の不動産登記法の記述式問題対策として,記述式問題の過去問は外せません。



     ただ,この過去問確認作業は,あくまで従前の勉強にプラスするイメージであり,過去問やれば他は要らないってことには決してなりません。

     近年の問題にしても,過去問をかなりアレンジしているわけですし,また,いきなり未出の論点ばかり出題される可能性が十分あります。

     では,過去問確認作業以外に,どうやって出題される論点を押さえるのか?

     今までの記述式問題で出題された論点を分析すると,少なくとも不動産登記法に関しては,択一式問題の過去問の論点を超えません。このことは,今年出題された休眠担保権の抹消についてもいえることです。

     そこで,不動産登記法の記述式問題の『論点』対策としては,やはり,択一式問題の過去問の論点を押さえておくことが最も有効ということになります。

     よく考えてください。今年出題された休眠担保権の抹消なんて,択一式問題でいっぱい出題されていますから,その難易度が低いとかそういう話は置いておいて(低いですが。),択一式問題の過去問しっかりやっていて,かつ,『記述式問題においては,択一式問題の論点が出題される可能性が高い。』ってことをちゃんと認識していれば,今年の問題を見たときに,『やはり出たか。』と冷静に捉えることができるのです。

     と偉そうにいっても,この現在においても,記述式問題は択一式問題の延長という名の下に,択一式問題の論点が記述式問題で出題されるという話がされていますから,上記は,特に新しいことを言っているわけではありません。

     ただ,勘違いしていただきたくないのは,択一式問題を記述式問題対策として押さえる場合の『方法』です。

     いつも言っていることですが,多くの受験生の方が行っている択一式問題を解いて,申請情報を作成する作業は,あまり記述式問題対策になりません。

     記述式問題というものは,要は,資料を下に登記事項を抽出する作業であり,この抽出作業こそが,受験生の方を悩ませるのです。したがって,択一式問題のように,既に論点が抽出されたものを単に申請情報化しても,それは,記述式問題対策の1つではある申請情報例の正確な暗記に資することはあっても,最も重要な登記事項を抽出する能力を養成することはできないのです。

     先日行われた『中上級者のための勉強の方法論』というガイダンスでは,持分放棄と登記名義人の表示の変更の登記という論点を使用して,この点を説明しました。

     重要な事項ですので,一緒にやってみましょうか?

     A及びBの共有に属する不動産について,持分放棄を原因とするBに対するA持分全部移転の登記を申請する場合において,Bの現住所が登記記録上の住所と異なるときは,移転の登記をする前提としてBの住所についての変更の登記を申請する必要がある【H19-27-エ】。



     上記の問題を申請情報化するのは簡単です。

     では,登記事項を抽出する訓練をするためには,どうすれば良いでしょうか?

     それは,『記述式問題化』することです。もっと簡単にいえば,上記の問題の論点が記述式問題で出題されれば,どんな感じで出題されるかを考えるのです。

     以下のようになりますね。

     まず,この問題は持分放棄がされていますので,共有状態が必須です。となると,別紙1の甲区が共有でなければなりません。問題中で単有から共有になることも考えられますが,持分放棄をすれば単有となることを考慮すると,もともと単有⇒問題中で共有⇒また問題中で単有になるのは,僕としてはせわしないので,もともと共有が良いなって思っています笑 

     次に,持分放棄という情報が示されます。どうやって示されますか?事実関係が文章で示される可能性もあれば,持分放棄証書という別紙が示される可能性もあります。後者である場合に,例えば,別紙3で持分放棄証書,別紙4でその配達証明書が示されたときは,要注意。持分放棄は,相手方のない単独の意思表示です。つまり,到達主義が適用されないので,登記原因の日付は,持分放棄の意思表示をした日になります(別紙4は,捨て別紙です。)。

     最後に,住所移転の情報です。

     上記の問題におけるBが個人であれば,住民票の写しが別紙として示されるか,又は今年の問題のように,さらっと住所移転が文章の中で示されるかでしょう。Bが法人であれば,本店移転を証する登記事項証明書が示されるか,文章の中でさらっとでしょう。まあ,どれでも良いです。重要なことは,他にあります。

     問題は,住所移転情報が『どこに示されるか?』です。

     持分放棄情報と住所移転情報が示される順序が,

     住所移転情報⇒持分放棄情報であった場合,誰でも先に住所移転の登記をしてから,後で持分放棄の登記をします。誰でもそうするってことは,論点の意味がないということです。つまり,出題されない。

     逆に,持分放棄情報⇒住所移転情報であった場合,ちゃんと勉強している人は,この場合でも先に住所移転の登記をしてから,後で持分放棄の登記をしますが,受験生の方によっては,先に持分放棄の登記をしてから,後で住所移転の登記をすることになります。これは,まずいです。申請すべき登記の順序が逆になってしまっています。採点基準は分かりませんが,予備校基準でいけば,申請順序の誤りは,部分点はもらえません。

     以上が,記述式問題化です。

     上記の問題は,択一式問題としては,最低レベルの難易度です。でも,記述式問題で出題すれば,申請順序を逆にするミスを発生させるぐらい破壊力がある論点になります。
     
     記述式問題化の重要性,伝わりましたか?

     皆さんの手元にある不動産登記法の択一式問題の過去問は,記述式問題の論点の宝庫です。択一式問題対策として演習する際に,記述式化することを強くお勧めします。

     今回のまとめ。

     不動産登記法の択一式問題の過去問の演習も,記述式問題対策となる。ただし,記述式問題化しよう。




     では,また。

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