このブログは,多くの受験生の方が司法書士試験に合格するために開設しました。
    司法書士法務太郎の安堵

     こんばんは。

     皆さん,いえ,司法書士法務太郎さん,苦悩しましたか?

     今日は,司法書士法務太郎シリーズ(そんなものはありません。)の『安堵』編です。

     まずは,問題(相談内容)を再掲します。

     司法書士法務太郎は,株式会社甲山商事の代表取締役Aから,『当社が発行する普通株式を譲渡制限株式とする定款の変更をしたいが,株主B及びCが賛成しないため,困っている。』との相談を受けた。
     その3日後,司法書士法務太郎は,Aに対し,株主B及びCが賛成しなくても,普通株式と譲渡制限株式とする定款の変更をすることができると回答した。

    (株式会社甲山商事の株主構成)
     A 普通株式 300株
     B 普通株式 100株
     C 普通株式  50株
     (注) 株式会社甲山商事は,普通株式のみを発行する株式会社であり,A,B及びC以外に株主は存在しない。

     【問題】 司法書士法務太郎が株主B及びCが賛成しなくても普通株式と譲渡制限株式とする定款の変更をすることができると回答した根拠を述べよ。



     ポイントは,株主B及びCが賛成してくれないので,株主総会の特殊決議は成立しない反面,株主Aの有する議決権数からして,株主総会の特別決議は成立するということです。

     では,単一株式発行会社において譲渡制限株式に関する事項を設定するに当たって株主総会の特殊決議が成立しなければならないという点をどのようにしてクリアするか?

     全部取得条項付種類株式を利用します。

     株主Aは,まず,株主総会において,単独で譲渡制限株式を種類株式として置く旨の定款の変更をします。この定款の変更は,既存の普通株式を譲渡制限株式とするわけではないため,特殊決議は不要であり,特別決議で足ります。

     次に,株主A,B及びCが有する普通株式の全部を全部取得条項付種類株式とする旨の定款の変更をします。この定款の変更も,特別決議で足ります。

     最後に,上記の全部取得条項付種類株式を取得する旨の決議を行います。取得対価は,上記の譲渡制限株式であり,この決議は,特別決議で,特殊決議は不要です(相澤等「Q&A会社法の実務論点20講」6頁)。

     なお,上記の【問題】からは明らかではありませんが,Aの意図が株式会社甲山商事が単一株式発行会社のままにしておきたいというのであれば,株主から取得した全部取得条項付種類株式を消却し,かつ,全部取得条項付種類株式を置く旨の定款の定めを削除すればよいです。

     全部取得条項付種類株式って,すごいというか,『こんなのあり?』って感じですね。

     実務における使用方法は,合格してから学んでいただくとして(僕には本から得た情報しかありませんから,お教えできません笑),試験上は,会社法制定におけるトピック的な論点であるため,注意しましょう。注意というのは,1回ぐらいは,全部取得条項付種類株式が論点に含まれた記述式問題を解いた方が良いということです。

     では,また。

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