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    平成25年度の記述式問題対策(8)
     こんにちは。

     今回も,記述式問題対策の話です。


    【平成25年度の記述式問題対策】
     平成25年度の記述式問題対策(1)
     平成25年度の記述式問題対策(2)
     平成25年度の記述式問題対策(3)
     平成25年度の記述式問題対策(4)
     平成25年度の記述式問題対策(5)
     平成25年度の記述式問題対策(6)
     平成25年度の記述式問題対策(7)

     前回の最後のところ,記述式問題における『省略』の文字の意味を考えてみましょう。

     第1の意味としては,本当に省略というもの。

     つまり,めんどくさいわけではないでしょうが,何も登記事項を発生させるものが書かれていないことをより明らかにするため,『省略』としているパターンです。

     この意味における『省略』への対策は,読まない・深く考えないということです。

     第2の意味としては,何かを隠したいために省略するというもの。

     つまり,ある部分を見せてしまうことが『論点の暴露』(←この言葉めちゃ良くない?)につながってしまうため,それを隠すべく,答案作成上の注意事項の適法・有効・適式というマジックワードに乗っかって,『省略』としているパターンです。

     第1の意味はよくあるとして,本当に第2の意味,すなわち,

     論点の暴露(←2回目の使用)を回避するための『省略』文字の使用

     というものが存在するのか?

     


     あります。というか,ないと,上記の話をする意味がないですから笑

     2つの出題実績を示しましょう。何と,いずれも平成22年度の問題です。

     まずは,親権者と子との間の利益相反行為につき特別代理人が選任され同人により契約が締結され,また,登記申請がされている論点の暴露(←使いすぎ?)を回避するための省略。

     以下は,平成22年度の不動産登記法の記述式問題の抜粋です。



    画像1
    H22361.jpg



    画像2
    H22362.jpg


     特に上の画像なんかは,設定者の一方である香取博子の氏名が明らかなんに,他方が『省略』なんて不自然です。

     なお,『こんな論点,別に『省略』を意識しなくても分かる!』って意見が多いと思いますが,そうですよ,分かってもらわないと,僕も困ります。『じゃあ,何でくどくど『省略』の話をするのか?』 それに対する回答は,一番最後で述べます。 

     次に,これは微妙ですが,監査役設置会社の定めの有無を『省略』しているが,申請会社としては監査役を設置したいだろうから,監査役設置会社の定めがあるものとして登記を申請させるための省略。

     今も書きましたが,これは本当に微妙。そもそも監査役設置会社の定めを書き忘れたという出題ミスの可能性が高いし,記述式対策講座・商業登記法で使用するレジュメにも,出題ミスに分類しています。

     ただ,監査役設置会社の定めを登記すべきでないとする見解,これはおかしいかなと。

     理由は,次のとおりであり,単に定款に記載がない→登記すべきでないという考えは,短絡的で,出題意図をまったく読めていないでしょう。

     (a) 定款に監査役の任期に関する定めがあること
     (b) 試験委員は,親会社の取締役が子会社の監査役に就任することが兼任禁止規定に違反しないという論点を出題している
     (c) (b)の論点について,兼任禁止規定に違反すると考えても違反しないと考えても他の論点に影響が出ないようにするために,子会社を監査役の設置義務が課されない取締役会設置会社でない株式会社としていること
     (d) 定款の「(中略)」の部分に,監査役設置会社の定めが存在すると解する余地があることにより,監査役の登記は申請すべきである。

     そろそろ,話をまとめましょう。

     いつも僕はいっているのですが,試験委員は,論点を論点構成要素に分解し,それを問題文全体に配置することにより問題を作成しています。そして,論点構成要素を再構築し,論点を明らかにすることが,記述式問題を解くということの意味です。

     この論点構成要素の中には,積極的記載のほか,『省略』の文字のような,消極的記載も含まれるということです。

     記述式問題を解く際には,全神経を集中し,ある文章又は文字からどういったことが喚起されるのかを意識するようにしましょう。

     では,また。

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