このブログは,多くの受験生の方が司法書士試験に合格するために開設しました。
    既に弁済期にある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというためには,受働債権につき,期限の利益を放棄することができるというだけではなく,期限の利益の放棄又は喪失等により,その弁済期が現実に到来していることを要する【追記あり】
     おはようございます。

     最近も新しい判例を紹介したばかりですが,今回も最新判例の紹介です。

      通行地役権者が承役地の担保不動産競売による買受人に対し地役権設定登記のされていない通行地役権を主張することができる場合

     なお,今年度の司法書士試験において出題される可能性は,先日の最新判例紹介と同じく,既に出題する論点の決定が終了していると考えられること,また,そもそも平成24年度に相殺に関する問題が出題されていることにより,限りなく零に近いと考えてください。

     紹介する判例は,最判平25.2.28です。


     民法505条1項は,相殺適状につき,「双方の債務が弁済期にあるとき」と規定しているのであるから,その文理に照らせば,自働債権のみならず受働債権についても,弁済期が現実に到来していることが相殺の要件とされていると解される。また,受働債権の債務者がいつでも期限の利益を放棄することができることを理由に両債権が相殺適状にあると解することは,上記債務者が既に享受した期限の利益を自ら遡及的に消滅させることとなって,相当でない。したがって,既に弁済期にある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというためには,受働債権につき,期限の利益を放棄することができるというだけではなく,期限の利益の放棄又は喪失等により,その弁済期が現実に到来していることを要するというべきである。



     この部分だけを読めば,相殺者が負担する受働債権について,期限の利益を放棄することができる状態にあることにとどまらず,期限の利益を現に放棄する等により,その弁済期を現実に到来させておかなければならないということなんですが,具体的意味は?

     以下の条文が関係します。

    (時効により消滅した債権を自働債権とする相殺)
    第五百八条  時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができる。



     508条によると,時効により消滅した債権を自働債権とする相殺をするためには,『その消滅以前に相殺に適するようになっている』必要があるため,その受働債権についてちゃんと期限の利益を放棄する等して弁済期を到来させ相殺適状にしておかないと,自働債権の債権者は,相殺をすることができないということになります。

     具体例をみましょう。

     AがBに対して金銭債権(甲債権)を有する。弁済期は,平成25年5月1日。
     BもAに対して金銭債権(乙債権)を有する。弁済期は,平成25年8月1日。

     甲債権が,平成25年6月1日に,時効により消滅。
    【追記】 時効期間の点で問題がありますが,一応理論的に特約で対処可能なので,無視してください。

     平成25年7月1日,Aは,甲債権を自働債権とし,乙債権を受働債権とする相殺をした。

     この場合において,Aによる相殺が,

     甲債権が時効により消滅する平成25年6月1日までに乙債権の期限の利益を放棄した上でされたものであるときは,当該相殺は,有効。
     
     甲債権が時効により消滅する平成25年6月1日までに乙債権の期限の利益を放棄しないでされたものであるときは,当該相殺は,無効。



     以上です。

     相殺って,ややこしいですね笑

     では,また。

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