このブログは,多くの受験生の方が司法書士試験に合格するために開設しました。
    お天気お姉さん

     こんばんは@渋谷です。

     お天気お姉さんというタイトルに意味はありません。今やってます。

     本当のタイトルは,知識の量と合否

     知識の量は多い方が良いのですが,でも,それは,合格を意味しません。

     このことに気付いている方は,あんまりいないと思うので,特に自己の知識量の不足が心配となるこの時期に,このテーマで記事を書くことにしました。

     始めに断っておきますと,僕は,何も,知識多くてもそれが不正確なら不合格になるという話をしたいわけではありません。

     むしろ,その逆で,知識が正確でも不合格になるという話をするんです。

     具体例を2つ挙げましょう。

    【平成17年度午後の部第2問】

     第2問 次のアからオまでの記述のうち,訴えの変更又は反訴の提起のいずれか一方にのみ該当するものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
       ア 少額訴訟においても,することができる。
       イ 簡易裁判所においてする場合を除き,書面でしなければならず,その書面を相手方に送達しなければならない。
       ウ 事実審の口頭弁論の終結に至るまで,することができる。
       エ 訴訟手続を著しく遅滞させることとなるときは,することができない。
       オ 控訴審においては,相手方の同意がある場合に限り,することができる。
       1 アイ     2 アオ     3 イエ     4 ウエ     5 ウオ


     
     丸々引用しましたが,注目していただきたいのは,設問オです。設問だけ取り出します。

     控訴審においては,反訴の提起は,相手方の同意がある場合に限り,することができる。



     この設問の正誤は,民事訴訟法300条1項によると,正しいということになります。

     これに対して,以下の判例によると,誤りということになります。

     原告の土地明渡請求に対し,被告が第一審において当該土地について賃借権を有する旨の主張をし,同審が賃借権の存在を肯認した場合に,控訴審において被告が更に反訴として賃借権存在確認の訴えを提起するには,相手方である原告の同意を要しない(最判昭38.2.21)。



     条文と判例,どっちを使いましょうか?

     真正面から解けば,控訴審における反訴の提起は,相手方の同意がなくてもすることができる場合があるため,誤りと判断することになります。そう,判例に基づいて解くことになります。

     でもね,法務省発表の正解に基づけば,設問は,条文だけで解くことになります。

     本試験の後に,「不正確な設問だ!」と批判することはまったく問題ないわけですが,僕は,試験時間中に,上記の判例を持ち出し,誤りと判断するなんて,あり得ないことだと思っています。

     もう1つ具体例を挙げましょう。

     と,その前に前提知識です。

     根抵当権者又は債務者に相続が開始した後,指定根抵当権者又は指定債務者の合意の登記がされる前に,他の事由で元本が確定した場合であっても,相続開始後6か月以内であれば,指定根抵当権者の合意の登記を申請することができるとされています。

     これは,相続開始後,他の事由で元本が確定する前に指定根抵当権者が取得した債権又は指定債務者が負担した債務を担保する実益があるからです。

     ただし,注意を要するのは,上記の取扱いがされるのは,他の事由による元本の確定前に,指定根抵当権者又は指定債務者の合意をしている場合に限られます(登記研究312号P47)。これは,指定根抵当権者又は指定債務者の合意をする前に他の事由により元本が確定した場合には,実益云々の前に,そもそも合意自体をすることができなくなるからです。

     以上を前提に,以下の設問を解いてみてください。

    【平成16年後午後の部第20問オ】

     確定前の根抵当権の債務者について相続が開始した後に,当該根抵当権の元本が確定した場合には,相続開始後6か月以内であれば,根抵当権者と根抵当権設定者との合意により指定債務者を定めて,その登記を申請することができる。



     上記の説明によれば,上記設問は,明らかに他の事由による元本が確定した後に指定債務者の合意をしている事例ですので,誤りということになります。

     でも,法務省の発表によれば,これは正しいと判断しなければならない。

     ちなみに,上記設問の題材となる見解は,たしか以下の書籍に紹介されていたと思いますが(※),他の事由による元本の確定前に合意をしておかなければならないことは,上記のとおり,登記研究に示されています。
    ※ 今手元に書籍がないので,正確な情報ではないかもしれません。ごめんなさい。



     以上の事実から判明すること,それは,上記のとおり,知識が正確でも不合格になるということ。まあ,これはちょっと言い過ぎなのかもしれませんが,基準点あるいは合格点にギリギリ足りず,あと1問で合格という状況での判断の誤りを考えれば,やはり不合格になるといえるのでしゃないでしょうか?

     僕が言いたいことは,正確な知識を振りかざし(あえてこの表現を使っています。),正誤の判断をすることは,極めて危険だということ。

     じゃあ,どうしましょうか?

     ちゃんと知識を入れた上で,その選択を正確に行うことが重要なのでしょうか?




     違います。上記の2つの具体例を見ていただくと分かるように,当該設問において,知識の選択を正確に行うことなど,絶対にできません。

     控訴審における反訴の提起に関しては,例えば,『問題文導入部に「判例の趣旨に照らし」との文言がないため,判例を使わずに条文で解くことができる』という意見があるのかもしれませんが,司法書士試験の問題には,「判例の趣旨に照らし」との文言がなくても判例は問われますから,条文で解くことも決め手にはなりません。

     合意の登記の事案は,これは正確な知識で臨むと明らかに誤っているわけで,仮に知識の選択を行ったとすれば,誤りと判断することになります。

     どうする?どうする?どうする?

     ここで,必殺技があります。

     択一式対策講座【実践】の受講生の方はみんな既に使ってます。

     その必殺技とは,


     回避


     という解法です。

     択一式・記述式を問わず,問題を解く際には,試験委員との対話が必要です。すなわち,出題意図を読む必要があります。

     これは,一般論としては,重要なことです。

     でもね,読めるわけがないというのも,また事実です。

     そのため,出題意図が読めない設問は,意図的に避けることが重要です。無理に解答を出そうとしない。これ,めっちゃ重要なことです。

     ただ,この記事を読んで,「あ,そっか,避ければ良いんだな」って思った方は,甘い。

     避けるためには,知識がなければならないんです。まあ,当たり前のことですね笑

     ただ,この直前期,過去問を徹底的に演習し,必要に応じてテキストを参照する作業を行えば,避けるべき設問の判断もできるようになると,僕は思います。

     僕を,いえ,過去問を信じてください。

     皆さんの合格は,その目の前にある過去問の中にあります。
     
     では,また。

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