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    平成25年度の記述式問題対策(16)
     こんばんは@渋谷です。

     まずは,昨日の宿題の解答を示します。

     公開会社である株式会社Aは,譲渡制限株式を募集株式とする第三者割当ての方法による募集株式の発行(有利発行ではない。)をしようとしている。司法書士Bは,株式会社Aの代表者から,取締役会を1度だけ行うこととしたいとの相談を受けた。司法書士Bとして,どのようなアドバイスをすべきか?


     
     解答としては,総数引受契約によれば良いってものも考えられますが,出題者である僕の意図としては,これはNG。

     模範解答としては,以下の見解を取り入れたものです。

     募集事項の決定機関と譲渡制限株式の割当先等の決定機関が同一である場合において,申込者及び引受人が手続開始時に確定しているときは,募集事項を決定する際に,既に判明している申込者による申込みがあったことを条件として当該申込者に対して募集株式を割り当てるとの条件付決議をすることにより,割当先等の決議を省略することができる(通達準拠p100,松井p286)。





     細かい?って疑問に対しては,商業登記の記述式問題は,会社法でも問われていない,会社法の立案担当者や登記の専門書籍・雑誌に掲載されている見解が普通に出題されていますので,押さえておくべきだと思います。僕たちの記述式対策講座では,上記の論点を題材とする問題を出題しています。

     ところで,募集株式の発行は,ほぼ申請代理不可事項になりません。

     これは,判例において,株式の発行の無効原因が限定されているためであると考えられます(※)。
    ※ 最新判例であるこの判例その他の株式の発行の無効原因に関する判例は,必ず押さえておきましょう。

     したがって,商業登記の記述式問題において優先的に検討するべき申請代理不可事項の判断において,募集株式の発行は最も遅く検討すべき論点であるべきです。

     上記の論点もそうです。

     『あれ?募集株式が譲渡制限株式なのに割当先の決定決議がないぞ。あっ,総数引受契約か?いや,違う。何でないんだ…。』と考え,申請代理不可事項とせずに,最後の段階として,募集事項の決定時に条件付決議やってないかを確認して,それもなければ,やっと申請代理不可事項になります。

     ちなみに,募集株式が譲渡制限株式である場合の当該譲渡制限株式の種類株主総会の決議についても同じ。

     『あれ?何で種類株主総会の決議がないんだ?あっ,定款に不要の定めがあるからか。いや,ないぞ…。』と考え,申請代理不可事項とせずに,そもそもその譲渡制限株式が発行しているのか,発行しているとして全部が自己株式でないか,すなわち,議決権を行使することができる種類株主が損しない場合に該当しないかを確認して,それもなければ,やっと申請代理不可事項となります。

     では,今回のテーマに進みましょう。

     監査役の監査の範囲に関する登記

     会計監査限定の定款の定め(会社法389条1項)が登記事項となります。

     実務上は,当該定めのある既存の株式会社について,どうやって当該定めを公示するのかという点が問題となりますが,試験上は,そんなことは関係ありません。

     平成25年度においては,まだ登記事項ではありません。

     平成22年度までは,申請代理不可事項(非登記事項を除く。)という問われ方がされていますので,仮に,会計監査限定の定めの設定又は廃止の定款の変更が有効であろうと無効であろうと,答案用紙には,何も書かないことが正解となります。

     これに対して,平成23年度・平成24年度においては,登記不可事項という問われ方がされていますので,答案用紙に書くのか悩ましいところです。これは,本当に悩ましいです。

     ただ,平成23年度司法書士試験において,社外取締役である旨の登記が登記不可事項として掲げられていないことからすれば,基本的には,登記不可事項=申請代理不可事項(非登記事項を除く。)と捉えて良いのかなという感じです。

     発行可能株式総数に関する規律

     2つ問題があります。

     まず,株式の併合をする場合には,併合後の発行可能株式総数を定めておかなければならず,この場合,公開会社については4倍ルールが適用される。

     次に,非公開会社が公開会社となる場合にも,4倍ルールが適用される。

     上記は,いずれも現在は問題となりません。

     株式の併合については,出題される可能性があるものの,株主総会の特別決議でやること以外特に論点もありませんので,ここは,(ちょっと無理があるかもしれませんが)株式の消却時に,定款に「自動的に消却する株式数に対応して発行可能株式総数が減少する」旨の定めがあれば,当該定款を申請書に添付して,登記の申請が可能であるという,最近択一式問題で出題された論点の記述式化に注意しておきましょう。

     非公開会社が公開会社化するパターンは,平成24年度に出題されているため,出題可能性はちょっと微妙。ちなみに,公開会社が非公開会社化するパターンは,平成23年度に出題されています。

     ちなみに,僕たちの中上級講座では説明していますが,上記のように,逆パターン出題があるということであれば,平成23年度において出題された大会社の非大会社化の逆の,非大会社の大会社化のパターンの出題に注意するべきだと思います。

     


     会社法制の見直しに関する要綱案からの記述式問題の検討は以上です。

     以下は,今日講義をしていて,ふとちゃんとやっているかなと思った内容。

     皆さんは,別紙として示された取締役会の議事録に,Aが代表取締役に選定されている場合,どのようなことをチェクしますか?

     ほぼ毎年出題される基本的な論点ですが,今一度,皆さんのチェック事項を教えてください。

     解答,というか僕のチェック事項は,明日発表します。

     では,また。

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