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    仮会計監査人を攻略する(2)【一部改訂】
     こんばんは@渋谷です。

     今日は3コマ9時間,よく講義しました笑

     早速ですが,仮会計監査人を攻略しましょう

    1 仮会計監査人の選任機関

     仮会計監査人は,他の仮◯◯とは異なり,裁判所が選任するわけではありません。

     すなわち,会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において,遅滞なく会計監査人が選任されないときは,監査役(監査役会設置会社にあっては監査役会,委員会設置会社にあっては監査委員会)は,一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならないとされています(会社法346条4項・6項・7項)。

     今更ですが,一時会計監査人の職務を行うべき者=仮会計監査人です。登記記録に記録するには,『一時◯◯の職務を行うべき者』は長いので(これは正確な理由ではないかもしれません。),『仮◯◯』と記録されることとされています。

     仮会計監査人の選任機関において注意すべきなのは,以下の点。

     監査役会を置いていないが,複数の監査役がある株式会社においては,各監査役が単独で仮会計監査人を選任する権限を有するということ。

     したがって,ある監査役が独断で仮会計監査人を選任した場合を,申請代理不可事項(登記不可事項)としないこと。

    2 仮会計監査人の予選

     仮会計監査人は,現に会計監査人に欠けた後でなければ,選任することはできません。これは,予選時においては,会計監査人が欠けておらず,当該予選は,会社法346条4項の要件を充足していないからです(小川等・通達準拠P214)。

     例えば,会計監査人が2名いる場合において,そのうち1名の会計監査人が辞任した場合でも,定款に会計監査人を2名置く旨の定款の定めがない限り,仮会計監査人を選任することはできません。

     もし選任したら? 申請代理不可事項(登記不可事項)になります。

    3 仮会計監査人の任期

     仮会計監査人には,会計監査人の任期に関する規定(会社法338条)は適用されないため(登記情報538号P27),仮会計監査人が選任された後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会で別段の決議がされなかったときでも,当該仮会計監査人について重任の登記を申請することはできません。また,任期満了による退任の登記を申請することもできません。

     つまり,放置するってことです。

    4 仮会計監査人の退任

     上記のとおり,仮会計監査人には会計監査人の任期に関する規定が適用されませんが,じゃあ,仮会計監査人はいつ退任するのでしょうか?

      仮会計監査人は,株主総会において,正規の会計監査人が選任されれば,その時点でその地位を失います(松井・ハンドブックP472)。

     そして,正規の会計監査人が選任されれば,その就任による変更の登記を申請することになりますが,仮会計監査人の登記はどうしましょうか?

     仮会計監査人に関する登記は,正規の会計監査人の就任の登記をしたときは,登記官は,職権で,抹消する記号を記録しなければならないとされています(商登規68条1項)。これは,H24-pm30-イで出題済みです。

     くれぐれも,仮会計監査人の退任による変更の登記を申請しないようにしましょう。

     いかがでしょうか?

     以上が仮会計監査人の論点です。1つでも漏らすことは,僕が許しません。皆さんは,しっかり押さえておいてください。




     今日は,何の話をしましょうか?

     そうでした,今日の講義中に思いついたネタがありました。

     キーワードは,反訴です。

     反訴の手続自体,最近民事訴訟法での出題がないため,出題可能性があります。

     でも,ここで説明したい反訴の話は,そうですね,『反訴なら…』って話です。

     まず,占有の訴えについては,本権に関する理由に基づいて裁判をすることができないとされている(民法202条2項)。でも,占有の訴えに対しては,本権に基づく『反訴』を提起することができます(最判昭40.3.4)。ね,『反訴なら…』でしょ?

     次。詐害行為取消権は,訴えによって行使しなければならず,抗弁によって行使することはできません(民法424条1項本文,最判昭39.6.12)。でも,詐害行為取消権は,『反訴』で行使することはできます(最判昭40.3.26)。

     どんどんいきましょう(というほど,残っていませんが。)。

     BのAに対する債務不存在確認訴訟が裁判所に係属する場合において,AがBに対する貸金返還請求訴訟の別訴を提起することは,重複する訴えの提起に当たり,許されません(民訴法142条)。

     でも,上記の場合において,AがBに対する貸金返還請求訴訟の『反訴』を提起することは,重複する訴えの提起に当たらず,許されます。

     ちなみに,この場合,BのAに対する債務不存在確認の訴えは,確認の利益を欠くこととなり,却下されます(最判平16.3.25)。

     最後。これは,ちょっと難易度が高いです。

     係属中の『別訴』において訴訟物となっている債権を自働債権として他の訴訟において相殺の抗弁を主張することは,重複する訴えの提起を禁じた民事訴訟法142条の趣旨に反し,許されません(最判平3.12.17)。でも,本訴及び『反訴』が係属中に,反訴請求債権を自働債権とし,本訴請求債権を受働債権として相殺の抗弁を主張することは,許されます(最判平18.4.14)。

     以上,本来的な反訴の話をあえて外した,反訴関連知識が整理してみました。

     僕は,このように,到底1問の中では問われないような横断的整理が大好きです。

     もちろん,講義では,留置権と同時履行の抗弁権とか,債権者代位権と詐害行為取消権とか,登記識別情報の有効証明の制度と登記識別情報の失効の申出の制度とか,訴えの変更と反訴とか,ど定番の整理も行うわけですが,まあ,正直にいえば,面白くない笑

     と,言いながら,『面白くないのは今日のお前のブログだ!』っていわれそうなので,ここらで退散します。

     では,また。

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