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    留置権と同時履行の抗弁権【解答編】
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     択一式対策講座【理論編】不動産登記法第1回 9月21日(土) 10:00~13:00 渋谷校




     こんばんは。

     今回は,留置権と同時履行の抗弁権の勉強をしましょう。

     以下の記事で出題した問題の答え合わせです。

     留置権と同時履行の抗弁権【問題編】

    【問題】

     次の[事例1]及び[事例2]を前提として,後記の問いに答えなさい。 

     [事例1] Aは,その所有する甲土地をBに売却し,Bは,甲土地を更にCに売却した。Aは,Bから売買代金を受領していないため,甲土地を占有している。

     [事例2] Aは,その所有する甲土地をBに売却した。その後,Aは,Bに対する売買代金債権をCに譲渡した。

     問1 [事例1]において,Aは,Bに対し,留置権を主張することができる。
     問2 [事例1]において,Aは,Bに対し,同時履行の抗弁権を主張することができる。
     問3 [事例1]において,Aは,Cに対し,留置権を主張することができる。
     問4 [事例1]において,Aは,Cに対し,同時履行の抗弁権を主張することができる。
     問5 [事例2]において,Aは,Bに対し,留置権を主張することができる。
     問6 [事例2]において,Aは,Bに対し,同時履行の抗弁権を主張することができる。
     問7 [事例2]において,Bは,Aに対し,同時履行の抗弁権を主張することができる。
     問8 [事例2]において,Bは,Cに対し,同時履行の抗弁権を主張することができる。



     解答は,次のとおりです。

    問1:正しい
    問2:正しい
    問3:正しい
    問4:誤り


     問4がポイントです。同時履行の抗弁権は,契約の効力として認められるものであるため,Aは,契約の当事者でないCに対しては,同時履行の抗弁権を行使することができません。
     
    問5:誤り
    問6:正しい
    問7:正しい
    問8:正しい


     まず,問5。これは,要注意。Aは,留置権の被担保債権である売買代金債権をCに譲渡してしまったため,もはや留置権を主張することはできません。なお,甲土地はAが占有していますので,Cは留置権の主張ができません。

     次に,問6と問7。AとBは契約当事者です。したがって,Aは,売買代金債権をCに譲渡しても,同時履行の抗弁権を主張することができ,また,Bは,Aが売買代金債権をCに譲渡しても,同時履行の抗弁権を主張することができます。

     最後に,問8。これが一番難しい問題です。以下をちゃんと考えた上で正誤の判断をした人はすごい!

     AがCに対してしたのは債権の譲渡であり,債権の譲渡とは債権をその同一性を維持したまま移転させることをいいますので,債務者は,譲渡人に対する抗弁を,譲受人に対しても主張することができます。したがって,Bは,Cに対しても,同時履行の抗弁権を主張することができます。

     ただし,債務者が異議をとどめない承諾をすると,抗弁が切断されるため,譲渡人に対する抗弁を譲受人に対して主張することができなくなります。したがって,仮に,Bが異議をとどめない承諾をしていれば,Cに対して同時履行の抗弁権を主張することができなくなります。

     [事例2]では,債権譲渡の対抗要件が何であったか明らかにされていないのですが,上記を考えた上で正誤の判断をしていたのであれば,「正しい」も「誤り」も正解です。
     
     いかがだったでしょうか? 全部正解できた?

     ここで,ちょっと過去問の話をして良いですか?
     
     なお,以下は,基礎講座生には当てはまりません。基礎講座生は,四の五のいわないで,テキスト読んで,過去問やって,またテキストに戻ってを繰り返してください。

     僕は,いつも講義ではいっていますが,過去問集を開いて,1設問ずつ丁寧に正誤の判断をし,正解を思われるものを選択し,解説を読むという意味の過去問演習には,意味はないと思っています。

     大切なのは,過去問集にある知識が平成26年度本試験で出題された場合に,本試験の現場で「ピン」とくること,すなわち,『これ過去問に出ていた!』と反応できるようにすることです。

     この反応能力は,別に過去問集じゃないと得られないものではなく,例えば,過去問番号が丁寧に記載されたテキストでも得ることができます。

     皆さん,ちゃんと過去問演習していますか?

     本試験の現場で「ピン」とくるようになっていますか?

     上記の解説を読んで,納得しているようでは,まだまだ(上記の僕のいう)過去問演習が足りません。
     
     なぜなら,問6はH21-18-エで,問8はS61-9-2で,それぞれ出題実績があるからです。

     重要なことは,ちゃんと,過去問演習の意義を理解しての過去問演習をすることです。

     そこには,例えば,過去問の選別とか,複雑なテクニックとか,そういうものは不要です。

     どれだけ過去問を抽象化できるかが重要です。

     では,また。

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