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    処分禁止の登記に関する問題【解答解説編】
    【無敵の司法書士 2013年本試験解剖BOOK】

    * 無敵の司法書士 2013年本試験解剖BOOKの説明書(1)




     こんばんは。

     処分禁止の登記に関する問題の解答解説編です。

     まず,一般的なルールを確認しましょう。

     所有権について処分禁止の登記(保全仮登記とともにしたものを除く。)がされた後,当該処分禁止の登記に係る仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を登記義務者とする所有権の登記(仮登記を除く。)を申請する場合においては,当該債権者は,当該処分禁止の登記に後れる登記の抹消を単独で申請することができる(民保法58条1項・2項,不登法111条1項)。

     そして,処分禁止の登記に係る仮処分の債権者が抹消の申請をすることができる処分禁止の登記に後れる登記とは,仮処分の登記より後順位の登記のうち,仮処分に対抗することができることが登記記録上明らかな登記を除いたものである(民保法58条1項・2項)。

     次に,登記記録の記録に掲げられた登記を1個ずつ検討していきましょう。

    甲区3番: これは,仮処分債務者の登記であり,処分禁止の登記に後れる所有権に関する登記の抹消をし,現に効力を有する登記とすることにより,登記義務者の登記とするものであるため,抹消を申請することはできません。

    乙区1番: これは,処分禁止の登記に後れる登記ではないため,抹消を申請することはできません。

    甲区4番: これは,仮処分債権者の登記であり,処分禁止の登記に後れる登記の同時抹消を申請したときは「職権」で,抹消を申請しないときは「嘱託」で,それぞれ抹消されるものであるため,抹消を申請することはできません。

    乙区2番: これは,処分禁止の登記に後れる登記であり,また,仮処分に対抗することができないため,抹消を申請することができます。もっとも,この抵当権は,仮処分債務者Aが設定したものであり,処分禁止の登記に後れる所有権に依存するものではなく,必ず抹消を申請しなければならないわけではありません(平2.11.8民三5000号)。今回の問題のポイントの1つは,ここにあります。なお,乙区2番の抵当権の抹消を申請しないときは,Cがこの抵当権を引き受けることになります。

    甲区5番: これは,処分禁止の登記に後れる登記であり,また,仮処分に対抗することができないため,抹消を申請しなければなりません。この抹消の申請がないと,Aが登記義務者になれません。ところで,甲区5番の所有権の移転の登記の登記原因の部分に「売買」と記録されています。受講生の皆さんは,これが「時効取得」であったり,「相続」であったりする場合についてご確認ください。

    乙区3番: これは,処分禁止の登記に後れる登記であり,また,仮処分に対抗することができないため,抹消を申請しなければなりません。上記乙区2番の抵当権のように,Cが引き受けることはできません。乙区2番と3番の取扱いの違いにくれぐれもご注意を。

     仮処分債務者が設定者=仮処分債権者による引受け可,仮処分に後れる所有者が設定者=仮処分債権者による引受け不可です。

    甲区6番: これは,処分禁止の登記に後れる登記ですが,仮処分に対抗することができるものです。なぜなら,差押債権者は,処分禁止の登記に先立つ1番抵当権の登記名義人であるBであるからです。したがって,抹消を申請することはできません(昭58.6.22民三3672号)。
    ※ 昭58.6.22民三3672号については,以下の記事において説明しています。いつもブログを読んでくださる皆さん,せっかくお読みになるなら,全部吸収してください。
    ・ あっちで勝っているが,こっちで負けている俺【解答解説編】

     以上により,CがAを登記義務者とする所有権に関する登記を申請するのと同時に抹消を申請しなければならない登記は,甲区5番及び乙区3番の登記ということになります。

     正解した皆さん,よくできました!

     不正解だった皆さん,今日の記事をよく読んで,必ずインプット教材でも確認して,1か月後ぐらいに再度演習してみてください。




     昼間にも告知させていただきましたが,明日は,択一式対策講座【理論編】会社法・商業登記法の開講日です。

     株式会社の設立を扱いますので,お時間がある方は,18時(昼間は,18時としてしまっていました。ごめんなさい!)~渋谷校でお会いしましょう。

     では,また。
     
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