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    あなたの無効主張は認められるかもしれません。【解答編1】
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     こんにちは。

     早速やりましょう。

     あなたの無効主張は認められるかもしれません。

     今回は,解答編1です。

    【問題】

     第三者による無効主張の可否が問題となる判例を2個挙げよ。ただし,第三者による錯誤無効の主張を挙げてはならない。



     挙げるべき判例の1個は,中間省略登記に関する最判昭44.5.2です。S63-11-2で出題済みです。

     以下,解説します。長文です。

     


     中間者を含めた三者の合意に基づいてされた中間省略登記は,その登記が現在の権利関係に合致している場合には,有効とされています(大判大5.9.12)。

     逆にいえば,中間者の同意なしにされた中間省略登記は,有効とはいえないことになります。

     では,中間者は,自分の同意がないことから中間省略登記は有効ではないと主張して,中間省略登記の抹消を請求することができるのでしょうか?

     判例は,中間省略登記の抹消を求める正当な利益を欠く場合には,中間者による抹消請求は認められないとしています(最判昭35.4.21)。

     例えば,AからB,BからCへと所有権が移転したが,AからCへの所有権の移転の登記がされた場合(以下の説明においても,この事例を使います。),通常は,BがCから売買代金を受領していたときは,Cの登記の抹消請求が認められず,BがCから売買代金を受領していないときは,Cの登記の抹消請求が認められます。

     前掲最判昭35.4.21の事案も,BがCから売買代金を受領していたため,Cの登記の抹消請求が認められませんでした。

     では,BがCから売買代金を受領していないとき,つまり,前掲最判昭35.4.21のいう「中間省略登記の抹消を求める正当な利益を欠く場合」に,Cの登記の抹消請求が認められるのは,Bに限られるのでしょうか?

     例えば,Bから借地権の設定を受けたDは,Cの登記の抹消請求ができるのでしょうか?

     この点について,判例は,中間省略登記を無効であるとし,その抹消を請求することができるのは,中間者に限られるとし,第三者による無効の主張を認めませんでした(最判昭44.5.2)。←ここが,解答です。

     したがって,Bから借地権の設定を受けたDは,BがCから売買代金を受領しているかどうかを問わず,独自の無効の主張ができないということになります。

     ここ重要。

     Dには,中間省略登記の独自の無効の主張が認められないのです。

     でも,Dには,Bの有する中間省略登記の抹消請求権を代位行使することによる無効の主張は認められるのです。

     ちなみに,前回紹介した,以下の判例。

     第三者が表意者に対する債権を保全する必要がある場合において,表意者がその意思表示の要素に関し錯誤のあることを認めているときは,表意者みずからは該意思表示の無効を主張する意思がなくても,右第三者は,右意思表示の無効を主張して,その結果生ずる表意者の債権を代位行使することが許される(最判昭45.3.26)。



     この判例で,問題となったのは,債権者の独自の錯誤無効の主張権。他人の勘違いをあたかも自分の勘違いのように主張することが問題となり,それが認められたのです。

     もし,債権者が債務者の錯誤無効の主張権を代位行使していたら,それは問題なく認められていたと解されています。
     
     以上をまとめておきます。

     錯誤無効の事例では,債権者による独自の無効主張も,代位による債務者の無効主張も認められる。

     中間省略登記無効の事例では,債権者による独自の無効主張は認められないが,代位による債務者の無効主張は認められる。



     
     ということで,択一式対策講座【理論編】民法の受講生の皆さんからすれば,講義の内容を要約したにすぎない内容でした。ちゃんと復習は進んでいますか?


     復習は,講義の内容を再現し,あとは,問題化しての読込みを繰り返せば良いです。
     大変な作業ですが,やるべきことはシンプルなので,我慢,我慢。



     そうそう,中間省略登記に関しては,以下の判例も覚えておきましょう。


      不動産の所有権が,元の所有者から中間者に,次いで中間者から現在の所有者に,順次移転したにもかかわらず,登記名義がなお元の所有者の下に残っている場合において,現在の所有者が元の所有者に対し,元の所有者から現在の所有者に対する真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を請求することは許されない(最判平22.12.16)。



     
     もう1個の判例の紹介は,また後日。


     では,また。

     
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