このブログは,多くの受験生の方が司法書士試験に合格するために開設しました。
    平成27年度司法書士試験(9)-募集株式の発行による変更の登記の可否
    【シリーズ】

     【追記あり】平成27年度司法書士試験(1)-基準点予想
     平成27年度司法書士試験(2)-解法の重要性
     平成27年度司法書士試験(3)-商業登記法の記述式問題(兼任禁止の論点の変遷)
     平成27年度司法書士試験(4)-出題予想
     平成27年度司法書士試験(5)-会社法・商業登記規則の改正論点の出題
     平成27年度司法書士試験(6)-供託規則の改正論点の出題
     平成27年度司法書士試験(7)-問題文の訂正
     【追記あり】【重要】平成27年度司法書士試験(8)-募集株式の発行による変更の登記はできない!?





     こんばんは。

     以下の記事の【追記】では,登記することができない事項にならないように,色々解釈案を示してみましたが,ここにきて募集株式の発行は登記することができない事項であるとの結論を決定的にする新たな事実が明らかになりました。

      【追記あり】【重要】平成27年度司法書士試験(8)-募集株式の発行による変更の登記はできない!?


     それは,募集株式が譲渡制限株式である場合に必要となる種類株主総会が行われていないということです。

     以下,検討します。

     株式会社甲山商事は,平成27年6月30日開催の臨時株主総会(別紙8)の第1号議案が可決承認された時に,種類株式発行会社となります。

     そして,種類株式発行会社において,募集株式が譲渡制限株式である場合には,一定の例外(本問では問題とならないため,省略します。)を除き,当該譲渡制限株式の種類株主総会が必要となります(会社法199条4項)。

     ここで,募集事項を決定した平成27年6月30日の時点では,募集株式である普通株式しか発行されていないところ,株主総会の構成員=普通株式の種類株主総会の構成員であるため,平成27年6月30日開催の臨時株主総会(別紙8)が普通株式の種類株主総会を兼ねるという考えが登場します。

     でも,このような株主総会の議事録を種類株主総会の議事録として使い回すことに関して,法務省の内部雑誌である民事月報には,以下のように書かれています。


     募集事項の決定に係る添付書面として株主総会の議事録のみを添付してする募集株式の発行による変更の登記の申請は,株主総会と種類株主総会とは別個のものであり,たとえ株主総会と種類株主総会とで議決権を行使することができる株主がまったく同一であるという事情があるとしても,株主総会の決議をもって種類株主総会の決議があったものとみなすことや,株主総会の決議をもって種類株主総会の決議を兼ねることはできないことから,受理されない(民事月報Vol.64 No.8P24)。




     これに対して,金子登志雄先生の「ずばり解説!株式と機関」P137~140において,金子登志雄は,株主総会と種類株主総会を共催することはともかく,共催の議事録を「臨時株主総会及び普通株主による種類株主総会議事録」とすることをご提案されています。


     本問において,普通株式の種類株主総会の決議が行われた事実はありませんし,また,別紙8の臨時株主総会は普通株式の種類株主総会との共催と判断することもできません。

     
     以上により,募集株式の発行による変更の登記は,割当先の決定の問題がどうであろうと,登記することができない事項になると考えられます。
      

     では,また。
     
     
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