このブログは,多くの受験生の方が司法書士試験に合格するために開設しました。
    遺言執行者の登記申請権限【解答編】
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     詳しくは,この記事をお読みください。



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     おはようございます。
     
     今回は,以下の記事の【解答編】です。

      遺言執行者の登記申請権限【問題編】

     頑張って考えましたか?

     遺言執行者申請することができるあんな登記こんな登記




    1 相続させる趣旨の遺言に基づく相続登記

     前回紹介した,以下の平成7年判例。

     特定の不動産を特定の相続人甲に相続させる旨の遺言により,甲が被相続人の死亡とともに当該不動産の所有権を取得した場合には,甲が単独でその旨の所有権の移転の登記手続をすることができ、遺言執行者は,遺言の執行としてその登記手続をする義務を負わない(最判平7.1.24)。

      

     平成7年判例には,続きとなる判例があります。

     それが,以下の平成11年判例。

     特定の不動産を特定の相続人甲に相続させる趣旨の遺言がされた場合において,他の相続人が相続開始後に当該不動産につき被相続人から自己への所有権の移転の登記を経由しているときは,遺言執行者は,上記の所有権の移転の登記の抹消手続のほか,甲への真正な登記名義の回復を原因とする所有権の移転の登記手続を求めることができる(最判平11.12.16)。



     平成11年判例の事案においては,他の相続人が勝手に相続登記を経由しており,相続させる趣旨の遺言者の受益者に承継させるという遺言の実現が妨害される状態が出現しているため,遺言執行者は,遺言執行の一環として,上記の登記手続を求めることができるとされました。

     ここらへんは,H25-pm36H20-pm24-オH12-pm23-ウで出題されているので,また確認しておいてください。




    2 清算型遺贈がされた場合の相続登記

     以下は,清算型遺贈に関する先例です。

     遺言執行者が,「遺言執行者は不動産を売却してその代金中より負債を支払い,残額を受遺者に分配する」との遺言書(清算型遺贈)に基づき,不動産を売却してその買主名義に所有権の移転の登記を申請するときは,その前提として,相続登記を申請しなければならない(昭45.10.5民事甲4160号)。



     この先例,めっちゃ出題されています。

     択一式問題で,H17-pm12-ウH1-二次24-3S57-二次15-2,記述式問題で,H25-pm36H15-pm36

     そして,H15-pm36では,突っ込んだ出題が。

     清算型遺贈に基づく登記を申請することを前提に,

     「(清算型遺贈の)登記の申請をする場合に,だれから申請に委任を受けることになるのか,及びそのように考えるに当たって検討した問題点」を回答する問題が出題されました。

     この問題に対する答えが,以下の実例です。

     清算型遺贈があった場合における相続登記は,遺言執行者が申請し(登記研究564号P13),また,買主のための所有権の移転の登記は,相続人全員を登記義務者,買主を登記権利者として,遺言執行者と買主により申請することができる(登記研究476号P139)。



     


    3 第2の遺贈の登記の前提となる第1の遺贈の権利者側の申請人

      甲所有名義の不動産が乙に遺贈されたが,遺言執行者Aが登記未了のまま死亡した後,更に乙から丙に当該不動産が遺贈され,Bがその遺言執行者とされた場合には,甲から乙への遺贈の登記は,他に甲の遺言執行者がいるときはその者と乙の相続人又はBとの共同申請により,甲の遺言執行者がいないときは甲の相続人が登記義務者の関係に立って行うものとされ,ついで乙から丙への遺贈の登記は,Bと丙との共同申請によってする(昭43.8.3民事甲1837号)【H20-24-イ】。

     ちょっとややこしいかもしれませんが,H20-pm24-イで出題されています。

     第2の遺贈の遺言執行者Bは,甲から乙への遺贈の登記が終わらないと,自らの職務である,乙から丙への遺贈の登記を申請することができないため,甲から乙への遺贈の登記の申請人となることができるとされています。

     いつもは,遺贈者側の申請人となる遺言執行者が,受遺者側の申請人となる点で,非常に珍しい事例です。

     


    4 遺言者が生前に売却した不動産に係る所有権の移転の登記

     ごめんなさい。変なのを混ぜてしまいました。

     以下の重要先例により,遺言執行者には,この登記の申請権限がありません。
     
     包括遺贈の遺言の遺言執行者は,包括遺贈者(遺言者)が生前に売却しその移転の登記が未了である土地の所有権の移転の登記につき,その申請の代理権限を当然に有するものではない(昭56.9.8民三5484号)。

     H20-pm24-アH14-pm17-エで出題されています。

     なお,この点については,以下の記事もお読みください。ただし,難しいです。

      思いもよらぬ結末




    5 分筆の登記

     遺言執行者は,遺贈の登記の前提として,分筆の登記を申請することもできます。

     相続財産である数筆の土地のうちの一定の面積を指定して遺贈する旨の遺言があった場合には,遺言執行者は,土地の分筆の登記の申請をし,更に,受遺者に対する所有権の移転の登記の申請をすることができる(昭45.5.30民事三435号)。



     これは,H20-pm24-ウで出題されています。

     


     ここで,皆さんに訊きたいことがあります。

     何か気付きませんか?



     過去問の出題実績を見てみてください。

     H20-pm24が多いでしょ?

     
     H20-pm24.png


     当然ですよね。

     H20-pm24は,上記のとおり,遺言執行者が関与する登記の問題なんですから。


     前回の【問題編】の際,「あれ?何か遺言執行者ばっかりの過去問あったな~」って思えた方,過去問ちゃんとできています。

     世の中には,過去問を繰り返す必要はないとか,過去問をセレクトすべきとか,色々な意見があります。

     僕も,これらの意見には基本的に賛成なんですが,過去問を何度も繰り返すからこそ得られるものって,結構大きいと思います。

     現場で気付く,「あっ,過去問と同じ!!」って,めっちゃ気持ち良いですからね。

     僕も,択一式問題において優先的に検討する設問の決定の際に,既出(過去問)の知識というのは重要視しています。

     これは,過去問の知識って,解けるか解けないじゃなくて,解けることを前提として,軸にできるかが重要と思うからです。


     

     最後に,こうやって色々書いていると,遺言執行者の話って,前にも同じことを書いたことがある気が…。

     検索すると…

     ありました。

      できることできないこと【問題編】
      できることできないこと【解答解説編】

     内容どころか,問題形式にしている同じ…。

     …。

     遺言執行者が好きすぎるのか,講師として進化がないのか,よく分かりませんが,とにかく,重要な論点は変わらないということで,今回の内容もしっかり押さえておいてください。


     では,また。


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