このブログは,多くの受験生の方が司法書士試験に合格するために開設しました。
    平成28年度司法書士試験(12)-午後の部第15問(極度額の増額と登記上の利害関係を有する第三者)
     【お知らせ】 

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    bunsekisemina.jpg
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     こんばんは。

     「最近,平成28年度司法書士試験分析の記事の投稿ペースが落ちたな~ネタ切れか!?」と思っている皆さん。

     たしかに更新ペースは落ちていますが,ネタ切れではありません。

     逆です。

     ネタがあり過ぎて,どれから投稿したら良いか分かりません…。


     平成28年度司法書士試験(1)-午前の部第32問5
     平成28年度司法書士試験(2)-基準点予想など
     平成28年度司法書士試験(3)-午後の部第36問(3番抵当権の登記の抹消の登記原因)
     平成28年度司法書士試験(4)-午後の部第37問(代表取締役の予選)
     平成28年度司法書士試験(5)-自己採点
     平成28年度司法書士試験(6)-午前の部第30問エ(公開大会社の機関設計)
     平成28年度司法書士試験(7)-過去問の知識のみで正解できる問題の数(民法と商法・会社法)
     平成28年度司法書士試験(8)-午後の部第37問(新株予約権関係論点)
     平成28年度司法書士試験(9)-午後の部第37問(登記不可事項の出題手法)
     平成28年度司法書士試験(10)-午後の部の問題冊子の表紙(消失)
     平成28年度司法書士試験(11)-午後の部第36問(3番抵当権の登記の抹消の登記原因)


     今回は,午後の部第15問オについて。

     いつもは,ここで問題文を掲げるわけですが,午後の部第15問は登記記録問題ですので,僕の問題冊子の午後の部第15問の画像と午後の部第15問オを示すことにします。

     まずは,僕の問題冊子の当該問題の画像。


    H28-15.jpg
    * 受講生の皆さんは,いつも講義で申し上げているとおり,設問2個で正誤の判断をしている点,無駄のないメモをご確認ください。これが,択一式問題の解法に基づく解答です。


     次に,午後の部第15問オ。


    オ 乙区4番の根抵当権の極度額を増額する旨の変更の登記を申請する場合,Jは,登記上の利害関係を有する第三者に該当する。


    * Jは,乙区6番の根抵当権者。
     

     上記の問題冊子の画像を見ていただくと明らかですが,僕は,現場において,午後の部第15問オを検討していません。

     分析の過程で,「あれ?」と思ったのです。

     選択肢との関係では,午後の部第15問オは「正しい」設問となりますが,これは,本当に正しいのでしょうか?

     『ア,エ及びオが「誤り」であるが,選択肢には,アエしかないから,2が正解』の可能性はないのでしょうか?

      参考: 続・禁断の出題

     以下,検討します。

     




     従来(*),根抵当権の極度額は設定契約において定められたものであるため,根抵当権者と設定者が変更の合意をすれば極度額の変更の効力が生じ,変更の登記は単にその変更を第三者に対抗するためのものと考えられていました。
    * ここでいう「従来」は,昭和40年代の根抵当権制度の改正前のことです。

     したがって,登記上の利害関係を有する第三者が存在するときは,その第三者の承諾があるときは変更の登記は付記登記でされ,承諾がないときは変更の登記は主登記でされていました(現在の不動産登記法66条)。

     しかし,変更の登記が主登記でされると,当事者間及び変更の登記後の後順位抵当権者等については,極度額の変更の効果を対抗できるが,変更の登記前の後順位抵当権者等については,極度額の変更の効果を対抗できないという結果が生じ,根抵当をめぐる法律関係が極めて錯綜したものとなります。

     そこで,民法は,根抵当権の効力の画一化の原則から,主登記による根抵当権の極度額の変更の登記又は更正の登記は認めないこととし,極度額の変更の場合には,実体的に利害関係を有する者の承諾がなければ変更の効力は生じないとしました(同法398条の5)。

     以上について,下記の本のP45・46参照。





     そう,極度額の増額に際して必要となる承諾は,実体的な利害関係を有する者の承諾なのであり,登記上の利害関係を有する第三者の承諾ではありません。

      それなのに,午後の部第15問オは「登記上の利害関係を有する第三者」としていますから,「誤り」と考えられます。

     
     ここで,僕は,こう思いました。


     「午後の部第15問オは「誤り」やけど,一応,基本通達確認しとこか。」


     基本通達とは,

     民法の一部改正に伴う登記事務の取扱いについて(基本通達)(昭46.10.4民事甲3230号)
     
     です。 

     
     こう書いていました。


    neteitoukihontsutatu.jpg

     
     ???

     どないなってんねん!!!



     画像にある「法第35条第1項第4号」は,現行の不動産登記令7条1項5号ハ(登記原因について第三者の許可、同意又は承諾を要するときは,当該第三者が許可し,同意し,又は承諾したことを証する情報)です。

     
     つまり,条文番号は正しい。


     でも,明らかに書かれていますよね。


     「登記上の利害関係人」(「登記上の利害関係を有する第三者」と同義)と。


     …。


     試験委員は,ちゃんと基本通達で裏を取って出題しているでしょうから,「誤り」とはいえないものの,釈然としない出題です。


     こういうのって,正確な理解が解答の邪魔をするということの典型です。


     試験委員の皆さん,こういうとこも精査した上で,出題してください。


     では,また。


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    コメント
    この記事へのコメント
    今問題文を確認して思ったのですが、そもそも6番根抵当権の受付が平成27年10月10日受付となっており、増額登記の受付は平成27年7月15日受付となっておりますね。
    ということは増額登記を申請する際は6番根抵当権は未登記(原因をみると同日ですから、効力未発生)であるので、Jが利害関係人になることは有り得ないのでは?と考えますが、いかがでしょうか。
    2016/07/12(火) 08:18:49 | URL | ぼ #-[ 編集]
    管理人のみ閲覧できます
    このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2016/07/12(火) 08:27:20 | | #[ 編集]
    Re: タイトルなし
    ぼさん

    利害関係の判定時は,登記の申請時ですので,利害関係はありますよ。


    > 今問題文を確認して思ったのですが、そもそも6番根抵当権の受付が平成27年10月10日受付となっており、増額登記の受付は平成27年7月15日受付となっておりますね。
    > ということは増額登記を申請する際は6番根抵当権は未登記(原因をみると同日ですから、効力未発生)であるので、Jが利害関係人になることは有り得ないのでは?と考えますが、いかがでしょうか。
    2016/07/12(火) 09:08:29 | URL | 姫野寛之 #-[ 編集]
    Re: 平成28年度午後の部15問目について
    名無しさんへ

    現役の登記官と登記について語り合いたいです!
    2016/07/12(火) 09:10:33 | URL | 姫野寛之 #-[ 編集]
    管理人のみ閲覧できます
    このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2016/07/12(火) 12:22:43 | | #[ 編集]
    Re: 先ほどの名無しです。
    名無しさん

     そのやり方でやりましょう。
    2016/07/12(火) 21:32:38 | URL | 姫野寛之 #-[ 編集]
    管理人のみ閲覧できます
    このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2016/07/13(水) 00:05:08 | | #[ 編集]
    管理人のみ閲覧できます
    このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2016/07/13(水) 05:57:48 | | #[ 編集]
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