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    平成28年度司法書士試験(15)-午後の部第31問ア(公開会社の有利発行)
     【お知らせ】 

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     こんにちは。

     まだまだ平成28年度司法書士試験の問題の分析は続きます。


     平成28年度司法書士試験(1)-午前の部第32問5
     平成28年度司法書士試験(2)-基準点予想など
     平成28年度司法書士試験(3)-午後の部第36問(3番抵当権の登記の抹消の登記原因)
     平成28年度司法書士試験(4)-午後の部第37問(代表取締役の予選)
     平成28年度司法書士試験(5)-自己採点
     平成28年度司法書士試験(6)-午前の部第30問エ(公開大会社の機関設計)
     平成28年度司法書士試験(7)-過去問の知識のみで正解できる問題の数(民法と商法・会社法)
     平成28年度司法書士試験(8)-午後の部第37問(新株予約権関係論点)
     平成28年度司法書士試験(9)-午後の部第37問(登記不可事項の出題手法)
     平成28年度司法書士試験(10)-午後の部の問題冊子の表紙(消失)
     平成28年度司法書士試験(11)-午後の部第36問(3番抵当権の登記の抹消の登記原因)
     平成28年度司法書士試験(12)-午後の部第15問(極度額の増額と登記上の利害関係を有する第三者)
     平成28年度司法書士試験(13)-午後の部第21問ウ(平成19年借地借家法改正と事業用借地権)
      平成28年度司法書士試験(14)-午後の部第36問(住所移転を登記原因とする抵当権の債務者の変更の登記の要否)


     今回は,午後の第31問アの公開会社が有利発行した場合の添付書面についてです。

     受講生の方からご質問をいただきました。
     

     まず,午後の部第31問アは,次のような設問です。


    【午後の部第31問ア】

     会社法上の公開会社が株主に株式の割当てを受ける権利を与えないで募集株式を発行した場合において,募集事項として定めた払込金額が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額であるときは,募集株式の発行による変更の登記の申請書には,株主総会の特別決議に係る議事録を添付しなければならない。




     正誤は,「誤り」です。


     まず,公開会社が有利発行をする場合の募集事項の決定機関は,次のとおりです。

     

     1 株主総会の特別決議で募集事項の全てを定める(会社法199条2項,399条2項5号)
     2 株主総会の特別決議による委任に基づき取締役会の決議募集事項を定める(会社法200条1項,309条2項5号)




     次に,募集事項の決定をしたことを証する書面は,次のとおりと考えられます。

     上記1の場合: 株主総会の議事録(商登法46条2項)
     上記2の場合: 株主総会の議事録及び取締役会の議事録(商登法46条2項)




     しかし,登記実務上の取扱いとして,上記2の場合,株主総会の議事録の添付を要しないとされています(昭30.6.25民事甲1333号,松井・ハンドブックP290・291)。


     したがって,募集事項の決定をしたことを証する書面は,次のとおりです。
      
     

     上記1の場合: 株主総会の議事録(商登法46条2項)
     上記2の場合: 取締役会の議事録(商登法46条2項)


     

     ここで,改めて,午後の部第31問アを確認してみてください。

     午後の部第31問アは,上記1及び2を区別することなく,「株主総会の特別決議に係る議事録を添付しなければならない」としている点で,「誤り」となります。






     最後に,こういう場合分けをして解答しなければならない設問は,出題者の意図(原則を問うているのか例外まで問うているのか)が分からないため,嫌ですよね。

     そして,この出題者の意図は,他の設問との関係からしか明らかになりません。

     したがって,設問アのようなものを見た場合には,上記の思考ができる方でも,解答を避けることが望ましいと思います。

     出題の多くを占める組合せ問題においては,無理に解答を出す必要はありません。

     
     では,また。


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    コメント
    この記事へのコメント
    いつも拝読しています。ありがとうございます。

    上記記事の中で、
    「しかし,登記実務上の取扱いとして,上記2の場合,株主総会の議事録の添付を要しないとされています(昭30.6.25民事甲1333号,松井・ハンドブックP290・291)。

    とある部分ですが、同ハンドブックP290・291を読むと、「上記2の場合」に限らず、上記1、2の場合区別せずに、単に、有利発行のため株主総会特別決議が必要な場合の同総会議事録は添付不要であると解される、というように読めるのですが、先例のほうでは、委任なし・ありと区別しているのでしょうか?

    宜しくお願いいたします。
    2016/07/17(日) 14:48:18 | URL | 来年も頑張るぞ #-[ 編集]
    Re: タイトルなし
    来年も さん

     仮に,上記1の場合に株主総会の議事録の添付を省略すると,募集事項の決定をしたことを証する書面が何も添付されないことから,上記2に限られています。
    2016/07/17(日) 22:40:32 | URL | 姫野寛之 #-[ 編集]
    ありがとうございました。

    上記1の場合でも取締役会議事録添付で足りるという理解をしておりましたが、実体上株主総会で決議しているのに、取締役会議事録で足りるという点に疑問を持っておりました。
    上記1の場合は原則どおり株主総会議事録添付ということで理解いたしました。
    2016/07/17(日) 23:46:32 | URL | 来年も頑張るぞ #-[ 編集]
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