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    共同相続登記後に相続の放棄があった場合に申請する登記(2・完)
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     こんばんは。

     続きをやりましょう。

     共同相続登記後に相続の放棄があった場合に申請する登記(1)

     
     『登記原因を「相続の放棄」とする持分の移転の登記を申請すべき』とする昭26.12.4民事甲2268号を出題すべきでない理由。


     それは,昭和37年の民法の一部改正により,昭26.12.4民事甲2268号が適用される事案がなくなっているからです。

     以下,説明します。


     昭和37年の民法の一部改正の民法939条は,次のとおりです。


    旧民法939条 数人の相続人がある場合において,その一人が放棄したときは,その相続分は,他の相続人の相続分に応じてこれに帰属する。




     このように,共同相続人の一人が相続の放棄をした場合には,その相続分が「承継」されることを前提として,共同相続登記後に相続の放棄があった場合に申請する登記が「移転の登記」とされていたのです。


     これに対して,昭和37年の民法の一部改正の民法939条は,次のとおりです。


    民法939条 相続の放棄をした者は,その相続に関しては,初めから相続人とならなかったものとみなす。




     このように,相続の放棄には遡及効があることを前提として,共同相続登記後に相続の放棄があった場合に申請する登記は「更正の登記」とされています。

     少し事例は違いますが,同じ考え方を採る先例を根拠として示しておきます。
     

     債権者代位により,A,B及びCの共同相続登記がされたところ,その登記前に,その共同相続人全員が相続放棄をしたため,第2順位のDが相続することとなった場合において,D名義の相続登記をするには,その前提として,A,B及びCとDとの共同申請によって,A,B及びC名義の相続登記の抹消を申請しなければならない(昭52.4.15民三2379号)。



     
     昭26.12.4民事甲2268号と同じ考え方であれば,A,B及びCからDに対する「相続の放棄」を登記原因とする共有者全員持分全部移転の登記を申請することになりますが,法務省は,相続の放棄に遡及効が認められることを前提として,共同相続登記の抹消を申請するべきとしています。

     
     ということで,昭26.12.4民事甲2268号は,物騒な言い方をして申し訳ありませんが,「死んだ先例」であり,試験で出題することは絶対に許されません

     
     では,なぜ試験委員の先生は,出題したのか?


     上記の内容を知らなかったからだと思います。


     僕ごときの予備校講師がここまで解説できるということは,元ネタがちゃんとあって,それが,登記研究に連載されている「実務の視点」であり,上記の内容が掲載されたのは,登記研究823号(平成28年9月号)です。

     つまり,昭26.12.4民事甲2268号を題材とする問題が出題された平成27年より後に刊行された登記研究に掲載されていたわけです。

     ということで,平成27年度において出題したことは,仕方がなかった…


     とは,言えません!!!


     「相続の放棄」を登記原因とする持分の移転の登記が申請できるなどという先例を,何の調査もなく出題するのは(ちょっとでも調査されていれば出題されなかったはずです。),やっぱりおかしいです。


     ということで,受験生の皆さん。


     平成27年度午後の部第25問エについてあれこれ悩むのは,時間の無駄です。


    【平成27年度午後の部第25問エ】

     甲土地の所有権の登記名義人であるAには,配偶者B並びに子C及びDがおり,Cには子Eがいる場合において,Aが死亡して相続が開始した。
     AからB,C及びDへの相続を登記原因とする所有権の移転の登記がされた後,Bの相続の放棄の申述が受理された場合,B,C及びDは,Bが作成した相続の放棄を証する書面を提供して,BからC及びDへの相続の放棄を登記原因とするBの持分の移転の登記を申請することができる。




     先の記事にもコメントをいただいていますが,今回の記事によりご納得いただけたかと思います。

     
     



     平成29年度における確実な合格のため,相続登記を題材とする問題への対策をしっかりやっておきましょう。

     「相続登記の論点の中のどれ?」を訊かれると難しいですが,「相続分の譲渡」は,択一式でも記述式でも出題可能性が高いといわれています。
     

     では,また。


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