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    【まとめ】遺言の文言通りでない登記(2020.3.26改訂)

    こんにちは。


     今回は,遺言の文言通りでない登記【まとめ】です。

     「遺言の文言通りでない」には,2つの意味があります。

     まず,その遺言に基づく登記を申請することができるのは前提として,遺言の文言通りでないという意味です。

     次に,その遺言に基づく登記を申請することができないことから,遺言の文言通りでないという意味です。
     

    1 その遺言に基づく登記を申請することができることを前提として,遺言の文言通りでない場合



     具体的には,遺言書に「相続」とあるのに「遺贈の登記」を申請する場合と,遺言書に「遺贈」とあるのに「相続登記」を申請する場合です。

     この点については,以下の記事をお読みください。

     遺言の文言通りでない登記【問題編】
     遺言の文言通りでない登記【解答編】


    2 その遺言に基づく登記を申請することができないことから,遺言の文言通りでない場合



     今回説明したかったのは,こちらのパターンです。

     具体的には,以下の場合です。


     (1) 相続させる趣旨の遺言で,受益者が遺言者よりも前に死亡した場合
     (2) 遺贈する旨の遺言で,受遺者が遺言者よりも前に死亡した場合
     (3) ???
     (4) ???




     以下,論点を確認します。


     (1) 相続させる趣旨の遺言で,受益者が遺言者よりも前に死亡した場合



     以下のような先例と判例があります。

    【先例】
     遺言者が,その者の法定相続人中の1人であるAに対し,「甲不動産をAに相続させる」旨の遺言をして死亡したが,Aが遺言者よりも先に死亡した場合には,Aの直系卑属A’がいるときであっても,遺言書中にAが先に死亡した場合にはAに代わってA’に相続させる旨の文言がない限り,甲不動産は,遺言者の法定相続人全員に相続されると解されるため,その相続登記を申請すべきである(民法994条1項類推適用,昭62.6.30民三3411号)。

    【判例】
     遺産を特定の推定相続人に単独で相続させる旨の遺産分割の方法を指定する「相続させる」旨の遺言は,当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には,当該「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係,遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などから,遺言者が,上記の場合には,当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り,その効力を生ずることはない(最判平23.2.22)。


     (2) 遺贈する旨の遺言で,受遺者が遺言者よりも前に死亡した場合



     次のような条文があります。

     遺贈は,遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは,その効力を生じない(民法994条1項)。

     遺贈が,その効力を生じない場合には,遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときを除き,受遺者が受けるべきであったものは,相続人に帰属する(民法995条)。


     (3) ???
     (4) ???




     この度,「2 その遺言に基づく登記を申請することができないことから,遺言の文言通りでない場合」に二つのケースを加えることとしました。

     
     そのうちの一つは,相続関係の改正を含みます。





     
     「その遺言に基づく登記を申請することができないことから,その文言が遺言通りでない場合」 が出題された場合,別紙として示された遺言書(統計的に見て,公正証書遺言と考えられます。)を無視することになります。

     今まであったでしょうか?


     「別紙を無視するのが正解」という記述式問題が。


     その遺言書に基づく登記を申請することができないと判断する実体法の知識とともに,単純に勇気が必要となります。


     では,また。


      『2 その遺言に基づく登記を申請することができないことから,遺言の文言通りでない場合」に加えられた二つのケース』は,以下のバナーをクリックすると,見ることができます(反映が遅れている場合があります。期間限定です。)。
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