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    裁判上の請求による時効の完成猶予の効力の始期


     2019年度本試験後のイベント等については,こちらの記事をご参照ください。



      


     こんにちは。

     今回は,民法(債権関係)の改正についてです。

     テーマは,裁判上の請求により時効の完成猶予の効力が生ずる時期


     (裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)
    第147条
     次に掲げる事由がある場合には,その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては,その終了の時から六箇月を経過する)までの間は,時効は,完成しない。
     ① 裁判上の請求
     ② 支払督促
     ③ 民事訴訟法第275条第1項の和解又は民事調停法(昭和26年法律第222号)若しくは家事事件手続法(平成23年法律第52号)による調停
     ④ 破産手続参加,再生手続参加又は更生手続参加
    2 前項の場合において,確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは,時効は,同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。



     
     民法147条1項1号は,裁判上の請求による時効の完成猶予の終期を明らかにしていますが,始期はいつでしょうか?


     つまり,時効の完成猶予の効力は,「訴えを提起した時」に生ずるのでしょうか?


     この点,商事法務研究会様が主催した第2回 「改正民法(債権関係)に関する解説会」(平成29年7月24日・大阪開催)における配布資料は,次のとおりです。


    sashikaemae.jpg


     「時効の完成が猶予」という緑色の部分は,「訴えの提起」から開始しています。

     つまり,裁判上の請求による時効の完成猶予の効力の始期は,「訴えの提起の時」ということになります。

     

     本当にそうでしょうか?



     なぜなら,まだ時効期間が進行中であれば,裁判上の請求をすることにより,時効の完成を猶予する必要がないからです。

     そういう解釈になったせいか,法務省は,こっそり?資料を差し替えたようです。

     現在,法務省のHP「民法の一部を改正する法律(債権法改正)について」において公開されている資料「主な改正事項」は,次のとおりです。


    sashikaego.jpg

     
     「時効の完成が猶予」という緑色の部分は,「時効期間満了(10年)」から開始しています。

     つまり,裁判上の請求による時効の完成猶予の効力の始期は,「時効満了の時」ということになります。

     二つの図を並べて見比べてみましょう。


    sashikaehikaku.jpg


     ところで,民法(債権関係)改正の解説本において,最も参考になる「一問一答 民法(債権関係)改正」(商事法務)。


     

     この本のP48には,次のような記載があります。

     時効の完成猶予の始期が具体的にいつであるかは解釈に委ねられているが,訴えの提起による時効の完成猶予は,訴えを提起した時(具体的には,訴状が裁判所に提出された時と解されている)から生ずることとなる(新民事訴訟法第147条)。




     うーん。

     どっちなんでしょう??


     とりあえず,裁判上の請求による時効の完成猶予の効力の始期は,少なくとも民事訴訟法レベルでは「訴えの提起の時」と覚えておきましょう。


     なお,以下で出題した演習問題の解説は,また後日にさせてください。

     【問題文一部修正】協議を行う旨の合意による時効の完成猶予


     では,また。


      『裁判上の請求による時効の完成猶予の効力の始期についての民法上の対策』は,以下のバナーをクリックすると,見ることができます(反映が遅れている場合があります。)。
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