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    このブログは,多くの受験生の方が司法書士試験に合格するために開設しました。
    民法(配偶者居住権を除く相続関係)の改正に関する登記先例に基づく記述式問題対策(4・完)

     こんばんは。

     今回で最終回です。


    【前回までの記事】
     民法(配偶者居住権を除く相続関係)の改正に関する登記先例に基づく記述式問題対策(1)
     民法(配偶者居住権を除く相続関係)の改正に関する登記先例に基づく記述式問題対策(2)
     民法(配偶者居住権を除く相続関係)の改正に関する登記先例に基づく記述式問題対策(3)







     と,その前に。

     うちの中山先生が,ブログを再開して,すごい勢いで記事を投稿されています。

     続 まらやの司法書士合格ブログ~宅建ネタも

     皆様は,毎日チェックしていただいていますか?

     ぜひ毎日お読みください。






    (5) 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策(特別の寄与)
     被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人,相続の放棄をした者及び法第891条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下「特別寄与者」という。)は,相続の開始後,相続人に対し,特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下「特別寄与料」という。)の支払を請求することができるとされた(法第1050条第1項)。
     また,法第1050条第1項の規定による特別寄与料の支払について,当事者間に協議が調わないとき,又は協議をすることができないときは,特別寄与者は,家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができるとされ(同条第2項本文),ただし,特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6か月を経過したとき,又は相続開始の時から1年を経過したときは,この限りでないとされた(同項ただし書)。
     この改正後の規定は,改正法の施行の日(令和元年7月1日)以後に開始した相続について適用され,同日前に開始した相続については,なお従前の例によるとされた(改正法附則第2条)。




     最後に中途半端に残ってしまったこの部分,民法の択一式用の知識です。

     寄与分は,被相続人の財産からもらえるものですが,特別寄与料は,相続人に対して請求するものであることなどに注意しましょう。

     寄与分と特別寄与料との比較の問題,出題されそうな気もするので。
     





     ところで,前回の最後に出題した【問題】ですが,解いていただけましたか?


    【問題】

     次の登記記録及び事実関係に基づく,申請すべき登記を検討せよ。

    (登記記録の記録)
    甲区
     3番 所有権移転 所有者A

    (事実関係)
    1 令和2年4月1日,甲土地を有するAが死亡した。相続人は,子であるB及びCである。
    2 Aは,令和元年5月1日,甲土地をCに相続させる旨の遺言をしていた。遺言執行者は,Eである。
    3 Bは,甲土地を単独で取得した旨の相続を登記原因とする所有権の移転の登記をした上で,令和2年7月1日,甲土地をDに売却し,売買を登記原因とする所有権の移転の登記を完了させた。




     以下,解説します。

     まずは,実体関係から検討しましょう。

     前回の記事にありますが,令和元年7月1日以降に開始した相続においては,遺言により法定相続分を超える相続分の取得は,登記なくして第三者に対抗することができません(民法899条の2第1項,改正法附則2条)。

     したがって,特定財産承継遺言により甲土地を相続するとされたCは,登記をしなければ,甲土地の全部の取得を,第三者であるDに対抗することができません。

     逆にいえば,Cは,法定相続分である甲土地の2分の1は,登記をしなくても,Dに対抗することができます。

     以上により,Cは,甲土地の2分の1を有していますので,Dが甲土地の全部を有する旨の登記には一部誤りがあるということになりますから,これを是正する登記をすることになります。

     具体的には,甲区5番のDへの所有権の移転の登記を更正した後に,甲区4番のBへの所有権の移転の登記(相続登記)を更正することになります(いわゆる「巻戻し更正」)。

     申請情報(添付情報等を除く。)は,次のとおりです。


    1/2
    登記の目的 5番所有権更正
    登記原因及びその日付 錯誤
    更正後の事項
     登記の目的 B持分全部移転
     共有者 持分2分の1 D

    2/2
    登記の目的 4番所有権更正
    登記原因及びその日付 錯誤
    更正後の事項
     共有者 持分2分の1 B
              2分の1 C




     厳しいことを言いますと,こういう基本的な問題を正確に処理することの方が,新しい記述式問題を解くことよりも重要です。

     巻戻し更正の登記手続には,重要なポイントがあります。

     今回の【問題】を通じて,巻戻し更正の登記手続を改めて確認しておいてください。
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