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    新信託法に基づく信託に関する登記の解説講座(4)

     こんばんは☆

     かなり寒いですね。明日からは,コートを着ます。

     なお,この講座は,現在刊行中の電子書籍『新信託法に基づく信託に関する登記の解説』を使用して,信託に関する登記の対策を万全とするものです。

    新信託法に基づく信託に関する登記の解説

     電子書籍『新信託法に基づく信託に関する登記の解説』は,かなり分かりやすく書いていますが,やはり,講義を受講した方が,イメージしやすいと思いますので,購入された方は,必ず,読んで下さい。




     今回も,前回と同様,平成19年9月28日法務省民二第2048号(以下『先例』といいます。)によって示された信託に関する登記の登記記録例の解説を行います。




     今回は,P16の11からです。

     これは,結構複雑な登記記録例で,ほんとは不動産登記法104条の2の解説を読んでからの方が分かりやすいのですが,一応解説しておきます。

     委託者甲  → 受託者乙 (不動産の信託)

     委託者丁※ → 受託者丙 (金銭の信託)

     ※ 丁は,登記記録に表れていません。

     がなされている場合に,

     乙は,丙に不動産を売却し,信託財産を金銭に換え,

     丙は,乙に金銭を支払い,信託財産を不動産に換えました。

     以上によりなされる登記は,

     1/3 乙から丙への売買を原因とする所有権の移転の登記
     2/3 乙の信託財産であった旨の登記の抹消
     3/3 丙の信託財産となった旨の登記

     の3件です。

     で,これらの3件の登記は,同時に申請する必要があります(不動産登記法104条の2第1項)。

     12について。

     信託財産の管理による信託の登記記録例ですが,これは,覚える必要はありません。

     13・14について。

     便宜,14の方を解説します。

     これは,もともと乙を受託者とする信託がされていたのですが,何某にこの不動産を売却したことに伴い信託財産ではなくなったので,信託の登記が抹消されています。

     しかし,乙はもう一度何某から当該不動産を買い受け,信託財産としました。

     つまり,信託財産の原状回復による信託を行ったのです。

     24・25について。

     信託がされた場合,本来は,委託者から受託者への所有権の移転の登記をすべきですが,自己信託の場合は,委託者=受託者ですので,所有権の移転の登記によることができません。これは,所有権の『移転』の登記が,登記名義人自体の変更であると位置付けられているからです。

     そこで,移転の登記ではなく,特殊な変更の登記によることになります。

     ここでいったん登記記録例の解説は終わりです。

     続いて,99条の解説を。

     99条は,受益者又は委託者の代位申請権について規定しています。

     そもそも代位による登記とは,民法423条を根拠として,その転用として認められるものですが,債権者代位権を行使するためには,色々な要件を充足する必要があります。

     しかし,受益者又は委託者は,受託者に対して,何らかの債権を持っているにしても,それが被保全債権となるかどうかをいちいち検討するのは面倒です。

     そこで,99条は,端的に,受益者又は委託者に代位申請権を認めることとしています。

     次に,登記記録例の解説です。

     15について。

     これは,所有権の移転の登記と同時に信託の登記をしなければならないのに,受託者である乙がその登記をしようとしなかったため,受益者が代位申請人となって,信託の登記を申請したものです。

     16について。

     これは,タイトルにあるとおり,所有権の移転の登記とは別に,かつ,原状回復として,委託者又は受託者が代位により信託の登記をする場合の登記記録例です。

     乙を受託者として信託の登記がされていましたが,乙が何某に当該不動産を売却したことにより信託財産ではなくなったため,信託の登記が抹消されています。

     しかし,乙は,再び何某から当該不動産を買い受け,信託財産としました。

     その際,乙は,何某から乙への所有権の移転の登記は申請しましたが,信託財産の原状回復による信託の登記は申請しませんでした。

     そこで,委託者又は受託者である何某(この何某は,乙と不動産の売買恵沢を締結した何某とは別人です。)は,乙に代位して,信託財産の原状回復による信託の登記を申請しました。

     なお,別々にされたことは,乙への所有権の移転の登記と,信託財産の原状回復による信託の登記が別のボックスで登記されていることから明らかとなります。同時に申請していれば,登記記録例の15のように,同じボックスを共有する形で登記されることになります。

     次回は,P21の不動産登記法100条から解説していきます。
     
     では,また☆


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