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    このブログは,多くの受験生の方が司法書士試験に合格するために開設しました。
    会社法人等番号を提供する場合における添付情報欄の表示



     こんばんは。

     『そうだ,会社法人等番号使おう。』というどこかで聞いたことがある宣伝文句を使いたくなるぐらい,不動産登記手続における会社法人等番号の利用が広がっています。

     しかも,この会社法人等番号の利用は,実務だけでなく,司法書士試験に,そう,今年の司法書士試験に影響を与えるものとなっておりますので,しっかりと押さえておくべきです。

     問題形式で整理しましょう。

     と,その前に確認します。


     会社法人等番号を提供する場合は,申請人の名称に続けて,例えば「会社法人等番号 1234-56-789012」と記載します(平27.10.23民二512号)。


     では,問題にいきましょう。


    【問題】

     次の①から⑤までの添付情報の,添付情報欄の表示を述べよ。
    ① 会社法人等番号
    ② 登記原因証明情報
    ③ 印鑑証明書
    ④ 住所証明情報
    ⑤ 代表者資格証明情報



    代表者の氏名抹消
     
     こんばんは。

     今回は,商業登記法の論点を整理してみます。

     代表者の氏名抹消についてです。

     これは,登記事項との関係で生ずる論点であり,僕みたいに旧商法や旧有限会社法下の商業登記法を勉強している人間にはおなじみの論点なのですが,今の受験生の方には難しく感じるかもしれません。

     特例有限会社においては,取締役について氏名及び住所を,代表取締役について氏名を,それぞれ登記することとされています。

     ただし,代表取締役の登記をするのは,特例有限会社を代表しない取締役がある場合に限られます。

     このことを逆にいうと,取締役が1名しかいない場合や,取締役の全員が代表取締役である場合には,特例有限会社を代表しない取締役がないということですから,代表取締役の氏名の登記はしません。

     そして,当初は特例有限会社を代表しない取締役がいたのに,その後,特例有限会社を代表しない取締役がいなくなった場合には,代表取締役の氏名の登記をすることができなくなるため,代表取締役の氏名の登記の抹消を申請することになります。

     具体的には,取締役が1名になった場合や,取締役の全員が代表取締役となった場合に,代表取締役の氏名の登記の抹消を申請することになります。

     例えば,取締役がA及びB,代表取締役がAである特例有限会社において,Bが退任したときは,その退任による登記と同時に,代表取締役Aの氏名の登記の抹消を申請することになります。

     また,例えば,取締役がA及びB,代表取締役がAである特例有限会社において,Bが代表取締役に就任したときは,その就任の登記をするのではなく,代表取締役Aの氏名の登記の抹消を申請することになります。

     以上が,代表取締役の氏名抹消の論点の説明です。


     ところで,この代表者の登記が氏名だけで,かつ,他に会社を代表しない者がある場合に限って登記をする場面というのは,他に2個あります。

     その2個を挙げることができますか?
    疑義問(5)

     こんにちは。

     何と,5年振りに,あの企画をやります。

     疑義問です。誰も知りませんね。


     【開講予告】疑義問(0)
     疑義問(1)
     疑義問(2)
     疑義問(3)
     疑義問(4)




     今回扱うのは,この問題です。


    【H14-am2-ア】

     Aは,代理権がないにもかかわらず,Bのためにすることを示して,Cとの間でB所有の甲土地を売却する旨の契約を締結した。
     Bは,Aから甲土地の売買代金の一部を受領した。この場合,Bは,Aの無権代理行為を追認したものとみなされる。





      
      H14-am2-アは,誤りです。


     これまでの過去問演習の経験を活かし,H14-am2-アを「正しい」と判断した受験生の方が多いのではないでしょうか?

     多くの過去問集では,H14-am2-アが正しいと記載されていますが,無権代理行為の追認については,法定追認に関する民法125条の規定は類推適用されませんので(最判昭54.12.14),H14-am2-アが正しいはずはありません。

     にもかかわらず,多くの過去問集にH14-am2-アが正しいと書かれているのは,次の2つの理由によるものと思われます。


     まず,「他の設問との関係」です。

     H14-am2は,「判例の趣旨に照らし誤っているもの」を選択させる問題でしたが,H14-am2の各設問には,誤っているものとしてイウがあり,H14-am2-アは,イウを組み合わせた3が正解となる問題であったため,正解に絡まないアを,正しいと判断する余地はあるでしょう。

     しかし,司法書士試験においては,誤っているものを選択させる問題で誤っている設問が3つある問題や,逆に,正しいものを選択させる問題で正しい設問が3つある問題が出題されますので(この点につき「続々・禁断の出題」参照),他の設問との関係でH14-am2-アを正しいと判断する考え方は,通用しないというべきです。


     次に,「黙示の追認」です。

     上記のとおり,無権代理行為の追認については,法定追認に関する民法125条の規定は類推適用されませんが(最判昭54.12.14),本人のした行為が黙示の追認ということになれば,もはや本人は,追認を拒絶することができなくなります(この点は,昭和58年度一次試験第1問3H23-am6-イにおいて出題されています。)。


    <参考>

    【S58-am1-3】

     Aから代理権を与えられたことがないにもかかわらず,BがAの代理人としてCとの間で不動産を買い受ける旨の契約を締結した場合において,Aが,Cに対して,その契約の目的物の引渡しを請求したときでも,その契約を追認したことにはならない。[×]


    【H23-am6-イ】

     次の対話は,無権代理に関する教授と学生との対話である。
    教授: Aの代理人であると称するBが,Cとの間で,Aが所有する甲建物の売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結したところ,Bが代理権を有していなかったという事例を考えてください。
        この事例において,BがCから受け取った売買代金をA名義の預金口座に入金し,Aがこれを認識しながら6か月間そのままにしていたという場合には,Aは,なお追認を拒絶することができるでしょうか。
    学生: 追認があったかどうかが問題になりますが,黙示の追認がなかったとしても,取り消すことができる行為の法定追認について定めた規定の類推適用により,本件売買契約を追認したものとみなされますので,Aは,もはや追認を拒絶することができなくなります。[×]






     しかし,例えば,本人が相手方に対し無権代理人が購入した不動産の引渡しを請求した場合であれば,本人に黙示の追認があったといえますが,本人が無権代理人から無権代理行為によって得た金員を受領した場合では,本人に黙示の追認があったとはいいにくいでしょう。

     仮に,本人が無権代理人から無権代理行為によって得た金員を受領した場合にも黙示の追認があったといえると考えたとしても,H14-am2-アは,誤りと判断すべきです。

     なぜなら,H14-am2-アにおいて,BがAから甲土地の売買代金の一部を受領する行為が黙示の追認といえるのであれば,Bは,Aの無権代理行為を「追認したことになる」のであり,わざわざ「追認したものとみなされる」わけではないからです。

     「黙示の追認」は,「追認」そのものであり,「みなされた追認」ではありません。
      

     以上により,H14-am2-アは,誤りと判断すべきです。
     





     ややこしい話をしましたが,H14-am2-アと同じ問題文の問題は二度と出題されませんし,この論点に関する最新の出題であるH23-am6-イはちゃんとした出題ですので,以下のまとめを押さえておいてください。

    1 無権代理行為の追認については,法定追認に関する民法125条の規定は類推適用( される   されない )。
    2 本人が無権代理行為の相手方に履行を請求した場合,黙示の追認と( なる   ならない )。
    3 本人が無権代理人から代金を受領した場合,黙示の追認と( なる   ならない )。
    4 本人が無権代理行為の相手方から代金を受領した場合,黙示の追認と( なる   ならない )。


    成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律と信託法
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    □ 記述式過去問集【不動産登記法】(昭和57年度~平成9年度)[民法(債権関係・相続関係)改正対応版]
     * 関連記事: 記述式過去問集【不動産登記法】(昭和57年度~平成9年度) [民法(債権関係・相続関係)改正対応版]
    □ 2020目標 不動産登記法の記述式問題対策 答案作成上のポイント
    □ 民法の重要判例(平成10年-平成31年・令和元年)





     
     こんにちは。

     久しぶりの更新となります。

     最新情報は,ツイッターでアップしているので,そちらも見てください。

     3月30日と31日に重要な通達が発出されています。

     登記というものは,申請が最初にあってのものであるため,こんなぎりぎりに,しかも,通達の名宛人を国民にしていないのもどうかと思いますが,まあいいでしょう。


    【民法(相続関係・配偶者居住権関係に限る。)改正に関する基本通達】
    「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(通達)(令22.3.30民二324号)

    【民法(債権関係)改正に関する基本通達】
    民法の一部を改正する法律等の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(通達)(令2.3.31民二328号)





     
     成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律により司法書士法が改正され,成年被後見人と被保佐人が司法書士の欠格事由ではなくなりました(司書法5条2号参照)。

     これは,成年被後見人等の人権が尊重され,成年被後見人等であることを理由に不当に差別されないようにするための改正です。

     なお,事理弁識能力を「欠く常況」にある成年被後見人や「著しく不十分」であり被保佐人が司法書士としての業務を行うことができるかという疑問があるかもしれませんが,成年被後見人等が「心身の故障により司法書士の業務を行うことができないとき。」は,日本司法書士会連合会は,その登録を拒否しなければならず(司書法10条1項2号),また,司法書士である成年被後見人等が「心身の故障により業務を行うことができないとき。」は,日本司法書士会連合会は,その登録を取り消すことができるとされている点には注意が必要です(同法16条1項2号)。


     ところで,成年被後見人や被保佐人は,信託の受託者になることができるでしょうか?

     この点も,成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律により信託法が改正され,成年被後見人や被保佐人も受託者としてすることができるようになりました(同法7条参照)。

     では,受託者が後発的に後見開始又は保佐開始の審判を受けた場合の登記手続はどうなるでしょうか?

     受託者の任務が後見開始又は保佐開始の審判により終了し,新受託者が選任された場合には,当該新受託者が単独で申請することができます(不登法100条1項)。

     また,受託者が2人以上ある場合において,そのうち少なくとも1人の受託者の任務が後見開始又は保佐開始の審判により終了したときは,他の受託者が単独で申請することができます(不登法100条2項)。

     これらの取扱いに変更はあるのでしょうか?



      『受託者が後見開始又は保佐開始の審判を受けた場合の登記手続』は,以下のバナーをクリックすると,見ることができます(反映が遅れている場合があります。期間限定です。)。
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    【まとめ】遺言の文言通りでない登記(2020.3.26改訂)

    こんにちは。


     今回は,遺言の文言通りでない登記【まとめ】です。

     「遺言の文言通りでない」には,2つの意味があります。

     まず,その遺言に基づく登記を申請することができるのは前提として,遺言の文言通りでないという意味です。

     次に,その遺言に基づく登記を申請することができないことから,遺言の文言通りでないという意味です。
     

    1 その遺言に基づく登記を申請することができることを前提として,遺言の文言通りでない場合



     具体的には,遺言書に「相続」とあるのに「遺贈の登記」を申請する場合と,遺言書に「遺贈」とあるのに「相続登記」を申請する場合です。

     この点については,以下の記事をお読みください。

     遺言の文言通りでない登記【問題編】
     遺言の文言通りでない登記【解答編】


    2 その遺言に基づく登記を申請することができないことから,遺言の文言通りでない場合



     今回説明したかったのは,こちらのパターンです。

     具体的には,以下の場合です。


     (1) 相続させる趣旨の遺言で,受益者が遺言者よりも前に死亡した場合
     (2) 遺贈する旨の遺言で,受遺者が遺言者よりも前に死亡した場合
     (3) ???
     (4) ???




     以下,論点を確認します。


     (1) 相続させる趣旨の遺言で,受益者が遺言者よりも前に死亡した場合



     以下のような先例と判例があります。

    【先例】
     遺言者が,その者の法定相続人中の1人であるAに対し,「甲不動産をAに相続させる」旨の遺言をして死亡したが,Aが遺言者よりも先に死亡した場合には,Aの直系卑属A’がいるときであっても,遺言書中にAが先に死亡した場合にはAに代わってA’に相続させる旨の文言がない限り,甲不動産は,遺言者の法定相続人全員に相続されると解されるため,その相続登記を申請すべきである(民法994条1項類推適用,昭62.6.30民三3411号)。

    【判例】
     遺産を特定の推定相続人に単独で相続させる旨の遺産分割の方法を指定する「相続させる」旨の遺言は,当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には,当該「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係,遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などから,遺言者が,上記の場合には,当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り,その効力を生ずることはない(最判平23.2.22)。


     (2) 遺贈する旨の遺言で,受遺者が遺言者よりも前に死亡した場合



     次のような条文があります。

     遺贈は,遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは,その効力を生じない(民法994条1項)。

     遺贈が,その効力を生じない場合には,遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときを除き,受遺者が受けるべきであったものは,相続人に帰属する(民法995条)。


     (3) ???
     (4) ???




     この度,「2 その遺言に基づく登記を申請することができないことから,遺言の文言通りでない場合」に二つのケースを加えることとしました。

     
     そのうちの一つは,相続関係の改正を含みます。





     
     「その遺言に基づく登記を申請することができないことから,その文言が遺言通りでない場合」 が出題された場合,別紙として示された遺言書(統計的に見て,公正証書遺言と考えられます。)を無視することになります。

     今まであったでしょうか?


     「別紙を無視するのが正解」という記述式問題が。


     その遺言書に基づく登記を申請することができないと判断する実体法の知識とともに,単純に勇気が必要となります。


     では,また。


      『2 その遺言に基づく登記を申請することができないことから,遺言の文言通りでない場合」に加えられた二つのケース』は,以下のバナーをクリックすると,見ることができます(反映が遅れている場合があります。期間限定です。)。
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